ESD(持続可能な開発のための教育)授業デザインフェスタ 2010
ワールドカフェ・ESD 学校と地域でつくる未来
持続可能な未来のために育みたい力と地域
8月21日、ESD(持続可能な開発のための教育)授業デザインフェスタ 2010ワールドカフェ「ESD 学校と地域でつくる未来」(ESD学校教育研究会)が東京都板橋区の大東文化会館で行われた。
ESDとはヨハネスブルグサミットにおいて日本が提唱し実現した「国連持続可能な開発のための教育の10年」で行われる「持続可能な開発のための教育=Education for Sustainable Development」のことである。
今回は、市民。教員、大学生、高校生が講演とワールドカフェ・ワークショップを行い、午前中には「生徒と学校でつくる未来ESD」として 「ESD・未来をつくる授業・実践」の報告や参加者の意見をもとに 学校での教育を考え、午後は 「学校と地域でつくる未来・ESD」として地域での 実践や地域実践や教育委員会、地域の取り組みの 報告や参加者がコーヒーなどを飲みながら「持続可能な未来のために育みたい力と地域」を考えた。
ワールド・カフェは、対話のプロセスを主としたワークショップ技法で、組織変革、まちづくり、教育など多方面で活用されている。
まず、趣旨説明「ESD・未来をつくる授業・実践」-育みたい力と全体計画」をESD学校教育研究会 事務局長長岡素彦が、 同研究会が教員と市民で作成中ハンドブック「ESD・未来をつくる授業・実践」と未来のために育みたい力について述べ、参加者はがわたしが思う「育みたい力」を論議した。
ラウンド2「消費者市民社会の実現に向けた開かれた学校づくり」では、帝京大学教職センター・教職大学院 専任講師 魚山秀介氏が新指導要領と高校などでの実践について語り、参加者はがわたしが思う「育みたい力」を論議した。
魚山氏は高校教員の経験から現代社会の課題学習のためのESD教材として整理して、それをどのような方法で「地域に開かれた学校づくり」に生かすかを研究・実践している。今までの社会科の蓄積の研究や実習・フィールド調査、多摩市教育委員会のESD教員研修に参加するなどから、地域の市民などと教員がいっしょに教材づくりや計画づくりをできるようになれば、ESDの視点をふくんだ問題解決型の授業ができると考えているという。
ラウンド3 「ESDとまち学習ー縮退社会における持続可能性」では宇都宮大学 教育学部 教授 陣内雄次氏がESDまち学習の実例を述べ、今後の縮退社会でのやく教育の役割を語、参加者は「育みたい力」と地域について論議した。
陣内氏は従来からまち学習を地域の市民とすすめているが、成長型の都市型社会が転機を迎えて適正規模の縮退社会に変化しつつあることを実例で語り、都市型社会でのまち学習とは違う、持続可能な社会でのまち学習・ESDが必要であると述べた。
ラウンド4「ESD多摩市教育委員会の取り組み」では、多摩市教育委員会 参事 千葉正法氏が教育委員会がESDに取り組んだ事例を語り、参加者はがわたしが思う「育みたい力」と教育委員会を実現する授業を論議した。
千葉氏は多摩市の少子高齢化・縮退の状況からESDを基本にした小中の学校教育を構想し、「2050年の大人づくり」をキャッチフレーズに小中学生が社会の担い手になり、つながりやかかわりを尊重できる「多摩市教育振興プラン」の柱にESDに据えている。そのための教員研修や授業プランづくりを市民NPOなどと行っているという。
ラウンド5「ESD成増小学校の学校・地域の連携」では、板橋区立成増小学校 校長 清水哲也氏が小学校での取組みと学校支援地域本部について述べた。
清水氏は校長として、こどもたちを考え、教員がこどもたちと「向きあえる」体制をつくるべく学校づくりを行っているが、そのために学校支援地域本部を父兄や地域の方々と立ち上げている。そして、ESDは「地域との連携を推進し、学校づくりの質を高め」、「生きる力」「確かな学力」につながるという観点から学校と学校支援地域本部、地域と学校教育をすすめているという。
全体会議(ハーベスト)「持続可能な未来のために育みたい力と地域の力」では今までの論議を受けて全体で話し合った。
全体会議(ハーベスト)での意見を下記のようにまとめました。
最後に、同研究会代表の東海学園大学教授 浅川和也氏と共催の関係性の教育学会の事務局長の大東文化大学準教授田尻敦子氏の挨拶があった。