関 係 性 の 教 育 学 会
第9回(2011)年次大会
7月3日、東京の板橋の大東文化会館で2011年度EPA(関係性の教育学会)大会・総会が行われた。
「関係性の教育学(Engaged Pedagogy)」は、パウロ・フレイレ、ベル・フックスによって提唱された教授法(教育学)から発展した関係性を基本において教育を考えるもので、関係性の教育学会は学者だけではなく、翻訳家、学生、世界各国で様々な活動をしている人々が参加し、教育における関係性について考え、実践していくものである。
関係性の教育学会 http://epajapan.jimdo.com/
当日は、朝から分科会として実践・事例・研究発表が行われ、午後には全体会とワークショップが行われた。
分科会では、外国語学習、放射線対応、地域などのテーマで人びとのかかわりあい、協調・協同に注目する教育のあり方に関してのプレゼンテーションをおこない、討議を行った。
分科会「Global Issues 外国語学習」(進行:淺川 和也氏)では、「大学の授業とDV」 「大学の授業での討論による政治意識改革」、「『3.11』をとりあげた英語学習」、「多文化教育の可能性と課題」、「大学生と平和教育カリキュラム」などの発表があった。
分科会「地域」(進行:長岡 素彦 コメンテーター:陣内雄次宇都宮大学教授)では、「地域からの学びと育ち」として渡邊真弓氏の学生が地域をキャンパスとして学ぶ試み、「『生きる力』」を育むための教育のありかたを考える-学校教育再考」として渡辺岳氏の学校でのソーシャルワーク的福祉教育、「保健室で向き合う子どもたちの声」として星泉美氏の今の児童・生徒の現実、「ソーシャルワークとしての身上監護という関係性として体験を振り返える」として吉田千代氏の地域と学校でのソーシャルワークのあり方、「活私開公型市民像」として三竹眞知子氏が滅私奉公から活私開公への転換について、「関係性を育む教育実践」、「地域共創・NPOインターンシップによる学生のキャリアづくりとNPO地域起業」について長岡素彦が述べた。
ここでは、関係を作り出している人の働きかけがソーシャルワーク(社会福祉援助)とコミュニティワーク(地域援助)やまちづくりにいかされる様子と課題とともに学校や地域での学びとの関係などが論議された。
全体会では、各分科会の報告と論議が行われた後にワークショップが行われた。
(下記 ファシリテーター 長岡)