私たちがめざすもの ―参加と協働による新しい公共の創造―
私たちはこれまで、自分のまちが抱える課題を、自らが参加することによって解決するための機会や手段を持つことが困難な状況にありました。そうしたなかで今、市民活動・NPOと自治体の協働のとりくみや自治体への市民参加が、埼玉でも少しずつはじまっています。
私たちは、さまざまなまちの課題を市民一人ひとりの参加によって解決していく手法としての協働のあり方を研究・提案することによって、新しい公共の創造をめざしていきます。
まちには、さまざまな市民が、さまざまな思いを持ちながら過ごしています。そして、それぞれに、くらしや地域、社会のことについて課題を抱えています。まちが、そこに生活する市民みんなのものであるためには、一人ひとりの市民が考える課題の多様性や違いをお互いに理解し合うことが大切です。
そのことによって、まちで生活するみんなの課題として何が重要なのか、そのために、市民一人ひとりが、そして自治体や国が何をすればいいのかという「新しい公共」のかたちが見えてきます。
振り返って、これまでの社会は、どういうしくみだったでしょうか。まちにとって何が課題なのか、それをどのように解決すればいいのか――つまり、公共や公益を、国や自治体だけで決めてきたのではないでしょうか。そうしたなかで、本来まちづくりの主役であるはずの市民が、自分の住むまちのあり方を考え、まちづくりに参加し、責任を持ち、そして自分のまちに愛着と誇りを持つ機会が奪われてきたのではないでしょうか。
私たちは、さまざまなまちの課題をみんなのまちの課題として解決していくためには、まちの課題を発見し、どのように解決していくのかというプロセスに、市民が主体的に参加していくことが必要と考えています。
その手段として、市民活動・NPOと自治体の協働のとりくみや自治体の意思決定への市民参加などが重要な鍵を握っていますが、同時に、自治体や国のあり方、しくみそのものの変革が求められています。そうした参加と協働の積み重ねによって、「新しい公共」の扉が開かれていくと考えています。
私たちの前身団体「NPOと自治体を考える自主研究会」は、2000年11月、NPO法人さいたまNPOセンターの呼びかけで発足し、同センターのプロジェクトとして活動を行ってきました。
これまで、協働事例の実践報告を行う「定例サロン」を開催してきたほか、メーリングリストで情報交換を行ってきました。また、有志メンバーでとりくんだ協働事例の調査研究は、
2004年1月に、「ケーススタディ・ノート 協働でまちをつくるのだ!」(愛称「協まち本」)として発行しています。
私たちは、これまでの活動の成果を踏まえるとともに、調査研究を通じて見出した新たな課題(NPO主体の協働のしくみづくりや、協働を決定する権限、アドボカシー、当事者と専門性、自治体への市民参加、議会の役割など)についても考察を深めていくため、「協働→参加のまちづくり市民研究会」を設立し、活動を発展させていくこととしました。
あなたがくらすまちで、市民が主役の「協働→参加のまちづくり」を進めていきませんか。
ぜひ、私たちと一緒に、参加と協働による「新しい公共の創造」をめざしていきましょう。
2004年10月3日
協働→参加のまちづくり市民研究会