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スローレポート 『S-Report』 (1/7号)
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12月12日、東京の建築会館で住教育出版記念フォーラム「屋根のない学校-対話共生型住まい・まち学習のすすめ」が(財)住宅総合研究財団の主催で開かれた。
◆◆◆ 屋根のない学校 ◆◆◆
-対話共生型住まい・まち学習のすすめ
(財)住宅総合研究財団は住宅やまちづくりの「シンポジウム」や「フォーラム」など、学問と実践をつなぐ研究の場の提供や助成とその普及び活動などを行っている。住宅総合研究財団の住教育委員会は、「次代のよき住まい手・つくり手を育む「住まい・まち学習」の確立と普及展開を目指し、住教育フォーラムの開催と、「住まい・まち学習」実践報告・論文の公募および発表会を中心に活動を行っており、90年代のその活動成果は『まちはこどものワンダーらんど』という書物にまとめられている。
今回は、住教育委員会が21世紀にはいってからの主要な活動成果を編んだ新しい書物『屋根のない学校-対話共生型住まい・まち学習のすすめ』の出版記念フォーラムである。
まず、趣旨説明として東京学芸大学名誉教授の小澤紀美子氏が今までの経緯と今回のテーマである「これからの学力と住まい・まち学習の展望」について語った。
第Ⅰ部「住まい・まち学習の展望」では、上智大学総合人間学部教授奈須正裕氏が 「本物の生活を「する」ことにより自己の生き方を深める学び」として、 学校での教科学習でも生徒たちは自分や生活とと関係付けて学んでいることを具体例で語った。
今までの教育が自分や生活と「関係のない」ものとして行われた結果、「関係がある」ものでさえ関係付けることができず、ただの知識の習得に堕してしまつたことを述べ、教科と生き方の双方を備えた住まい・まち学習の「自己更新の学力」についての可能性について語った。
千葉大学大学院教授木下勇氏が「生活のあるべき方向をデザインする感覚を育む住まい・まち学習」では、こどもの参画やユネスコのこどもにやさしいまちなどを通じて、生活のあるべき方向をデザインするアクションリサーチとしての住まい・まち学習について述べた。
第Ⅱ部では、「住まい・まち学習と私」として全国各地で「住まい・まち学習」の実践者の発表がなされた。
山形県立置賜農業高校の教諭江本一男氏は置賜農業高校が地元の駅の無人化にともなう高校生のまちづくりの中での生徒の成長と、生徒の影響によるまちの変化について語った。
NPO法人コドモ・ワカモノまちingの代表理事星野諭氏は東京の千代田区での学生たちのこどもの居場所づくりから始まったまちづくりについて述べた。
日本女子大学家政学部住居学科専任講師の薬袋奈美子氏は地方における住まい・まちづくりと住まい・まち学習について
有限会社人イエまちネットワークの代表取締役山田清氏は東京の杉並でのこどもと大人の共学の「われらプロジェクト」と住民協働の「つなぎのデザイン」について語った。
第Ⅲ部では、「これからの学力と住まい・まち学習の展望」では参加者から出された「どのように」すすめたらいいのか」や「つながり方」などの質問、意見を中心に、発表者・住教育委員によるパネルディスカッションが行われた。
最後に住教育委員長の愛知産業大学大学院教授延藤 安弘(NPO まちの縁側育くみ隊 代表理事)がまとめとして「創造的学力と住まい・まち学習の方法原則」を述べた。
屋根のない学校というのは、学校の外で行われる教育のことだけを言うのではない。学校教育と社会教育、教室と地域という区別を超えた対話共生型住まい・まち学習の宿る場所や営みを屋根のない学校とという。
学校教育が生活や社会と「関係のない」ものとして行われたことが、現在の「誰とも関係ない社会」を築くひとつの原因となった。そして、「教育」は知識を貯金するような「銀行教育型教育」(P.フレイレ)に終始することになり、計測可能で学校でしか役に立たない「学力」を養うこととなった。
文部科学省の言う「生きる力」が本当に生きることを支えるものであるならば、このような屋根のない学校の対話共生型住まい・まち学習や社会や生活のあるべき方向をデザインするアクションリサーチから生まれる「創造的学力」が重要であろう。
なお、住宅総合研究財団では、屋根のある学校向けに、つまり、小・中・高校の「住教育授業づくり助成」として住教育授業の費用助成を行うとのこと。(詳細は住宅総合研究財団へ)
(参考)
「屋根のない学校 -対話共生型住まい・まち学習のすすめ」
出版社:萌文社 編者:財団法人住宅総合研究財団 住教育委員会
発行日:2009年11月発行
http://www.hobunsya.com/nbook.htm#yanenonai
◆◆◆ ご案内 ◆◆◆
ESD学校地域連携フォーラム
市民から発信する平和 vol3
今回は、地域からの平和として川越で唐人揃いパレードの活動とグローバルな平和としてGPPAC(武力紛争予防のためのグローバルパートナーシップ)の市民の活動についてお聞きして、市民による平和構築について考えます。
また、国連「持続可能な開発のための教育の10年」の活動のひとつとして実施します。
日 時:2010年1月10日(日)午後1時30分より4時30分
場 所:さいたま市浦和コミュニティセンター第10集会室(浦和駅東口前パルコ10階)
内 容
1.挨拶 1.挨拶 持続可能な開発のための教育の10年さいたま 長岡素彦
2.ゲストスピーチ
1)地域から発する平和
川越唐人揃いパレードから平和を!
-憎しみは悲しみを生み、交わりは豊かさを生む-
埼玉県立高校教員・アーチスト 江藤善章
2)グローバルな平和
GPPAC(武力紛争予防のためのグローバルパートナーシップ)の状況
GPPAC平和教育レファレンスグループ 浅川和也(GCPEJ平和教育地球キャンペーン)
GPPAC Peace Education Reference Group
その他、ピースボート関係者などを招聘中
3.全体ディスカション
主催・共催:持続可能な開発のための教育の10年さいたま
GCPEJ(平和教育地球キャンペーン)
参加費:無料
■連絡先
持続可能な開発のための教育の10年さいたま
e-mail:info-lab@cyber.email.ne.jp
Fax:049-233-0402
以下申込フォーム---------------
●氏名:
●メールアドレス:
*電話(連絡先よろしければ):
*所属団体(あれば):
*参加動機(差しつかえなければ):
●については、必ずご記入下さい。
『平和をつくった世界の20人』の翻訳です。
岩波ジュニア新書 641
『平和をつくった世界の20人』
ケン・ベラー,ヘザー・チェイス 著
作間 和子,淺川 和也,岩政 伸治,平塚 博子 訳 定価 882円
■著者
ケン・ベラーとヘザー・チェイス(Ken Beller and HeatherChase)夫妻による共同執筆.
平和で持続的な生活環境を世界に広めるために活動中.アリゾナ州で,環境に配慮した家で暮らしている.ケン・ベラーは,世代間の多様性,明確なビジョンを持ったリーダーシップ,地球環境の持続可能性などの分野でのアドバイスを専門としているコンサルティング会社ニア・ブリッジの共同創業者,現社長.ヘザー・チェイスは,動物愛護や環境に配慮する製品の普及をすすめる,国際的なモデル団体「良心あるモデルたち」の創設者.動物愛護や環境保護に関する賞を複数受賞している.
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■目次
I 非暴力を選ぶ
ヘンリー・デイヴィッド・ソロー----思慮深い生き方
マハトマ・ガンディー----非暴力による抵抗
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア----夢をもつ勇気
アンデルソン・サー----変革の手段
II 平和を生きる
マザー・テレサ----愛を行動に表わす
ティク・ナット・ハン----平和に生きる
コールマン・マッカーシー----平和を教える
オスカル・アリアス----人類すべてが「私たち」
III 多様性を大切にする
ブルーノ・フッサール----宗教間の調和を求めて
デズモンド・ツツ----みな家族
リーアン・アイスラー----支配ではなく協力を
ダライ・ラマ----世界を照らす思いやりの心
IV あらゆる命を重んじる
ヘンリー・ソールト----みな兄弟という信念
アルベルト・シュヴァイツァー----生命への畏敬
アストリッド・リンドグレーン----声なきもののための声を
ジェーン・グドール----人間らしさを理解する
V 地球環境を大切にする
レイチェル・カーソン----自然界のバランス
デイヴィッド・スズキ----「発展」を問い直す
ネーダー・ハリーリ----持続可能なコミュニティ
ワンガリ・マータイ----平和の種をまく
■内容紹介
『森の生活---- ウォールデン』の著者ソロー、『沈黙の春』のカーソン、MOTTAINAIのマータイ、ブラジルのミュージシャンのサーなど、独自な方法で平和を築いた20人をの生き方を、本人のスピーチや著作の〈ことば〉を通してたどります。5つのパートのタイトルが示すのは、平和への5つの道。読み進めていくと、たとえばソローの非暴力の思想がガンディー、ソールトへ受け継がれ、さらにはキング牧師やティク・ナット・ハンへつながっていったことがわかりますし、カーソンの『沈黙の春』がスズキに大きな影響を与えたことにも気づかされます。それぞれの時代と地域で格闘してきたピースメーカーたちの生き方が、やがて綾織りのように織り込まれ、太い1本の綱に見えてくる----そんな手応えのある読後感が抱ける本です。各章の最後には、それぞれの人の「ことば」が日本語と英語で読めるようになっています。
原書GreatPeacemakersは、数々の賞を受賞し、平和教育テキストとしてもアメリカのハイスクールや大学で高い評価をうけています。250人以上のリストからこの20人をピックアップしたということですが、非暴力、紛争・貧困解決だけではなく、地球環境・動物権利の保護という視点も入っているのがこの本の特徴。ピッピの生みの親リンドグレーンも、スエーデンの動物福祉法成立に大きく貢献した人として登場しています。
著者のK.ベラー&H.チェイス夫妻は、平和で持続的な生活環境を世界に広めるために活動していますが、現在アリゾナ州で環境に配慮した家で暮らしています。
翻訳は、平和・環境問題に深い関心をもつ大学英語教師4人のチームですすめられました。日本の読者に読みやすく、またピースメーカーたちの生き方が正確に伝わるよう、訳文は練りに練られています。
さて、本を閉じたあと、どの人のどのことばがあなたの心にのこったでしょうか。
原書Great Peacemakersのサイトhttp://www.greatpeacemakers.com/
■訳者紹介
作間 和子(さくま かずこ)
上智大学非常勤講師.上智大学外国語学部英語学科卒,同大学院文学研究科英米文学専攻博士後期課程満期退学.専門はアメリカ文学.
淺川 和也(あさかわ かずや)
東海学園大学人文学部教授.大正大学文学部哲学科卒,コロンビア大学ティーチャーズカレッジ大学院英語教授法修士課程修了.専門は英語教育,平和教育,国際理解教育.
岩政 伸治(いわまさ しんじ)
白百合女子大学准教授.上智大学比較文化学部卒,同大学院文学研究科英米文学専攻博士後期課程満期退学.専門は環境批評,H.D.ソロー,R.カーソン.
平塚 博子(ひらつか ひろこ)
敬和学園大学英語文化コミュニケーション学科専任講師.青山学院大学英米文学科卒,上智大学大学院文学研究科英米文学専攻博士後期課程満期退学.専門はアメリカ南部文学
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