ICTタスクフォースへの緊急提言
「参画型」の仕組みの実現を
原口一博総務大臣 内藤正光副大臣 長谷川憲正政務官
ICTタスクフォースの皆さま
はじめに、ICTタスクフォースの皆さまが「光の道」構想をはじめとする日本の情報通信の在り方について、真摯に検討されていることについて、深い敬意を表します。その結論を真に実のあるものとする一策として、以下の緊急提言をいたします。
「光の道」構想をめぐっては、これまで主に事業者=供給側から意見発表がなされ、材料はほぼ出そろったかに見えます。これから構成員の皆さんによって討議の集約が行われ、5月中旬を目途に結論が導かれると聞いていますが、その前にぜひともお考えいただきたい点があります。それは、結論を出す前に、もっとも重要な存在である利用者、国民の生の声、多様な立場に立った多くの意見を、直接受け止める機会をぜひ作っていただきたいということです。
タスクフォースの議論の模様がインターネット経由で、リアルタイムおよびオンディマンドの音声・映像で提供されることは高く評価いたします。しかし、失礼ながら、それだけではいわゆる「劇場型」の、一方向の「情報提供」に過ぎず、構成員以外の人間は、せいぜい「傍聴」しかできません。ツイッターで呟いても、だれもが聞いていただける仕組みはありません。
そこで、多数の人の自由な意見発表、相互の意見交換による「参画型」の仕組みの実現をご提案いたします。インターネットを利用し、様々なソーシャルメディアサービスを意識的に活用すれば、「双方向」での意見交換の場は十分実現可能です。現に経済産業省の「アイディアボックス」や、文部科学省の「熟議カケアイ」など、だれもがオープンに参加できる政策議論・意見集約の場が実現されています。重要な情報通信政策の決定にあたって、最新の情報通信技術によるサービスを駆使することは、総務省の議論・政策決定の方法としては当然ではないでしょうか。
時間的制約は厳しく、いまさらと思われるかもしれませんが、オープンな参加による意見交換、国民の生の声を聞くプロセスを、最終集約の前の重要な手段として実現することを、ぜひともお願いいたします。通信・ネット関連企業や市民団体の力を借りれば、短時間で十分な機能の実現が可能です。結論の大筋を出してから「パブコメ」にかけるのは、順番が違います。
東京近辺の人間なら、構成員の皆さんと直接お話しすることも不可能ではありませんが、地方・地域の人間には無理です。しかし、距離と時間を超えたツールであるインターネットを活用すれば、地方・地域の人間も、自分たちの意見を何の制約もなく発表し、構成員の皆様に聞いていただき、共通の場で意見交換することが可能となります。
ネット利用者の声だけを聞くことは、公平を欠きます。ブロードバンドの恩恵をまだ実感できていない人々の声も重要ではないでしょうか。オンラインの場に加えて、せめて全国数カ所でのタウンミーティングなど、オフラインの場も必要と考えます。これもネット中継すれば、構成員の皆さんもいながらにして参加可能です。本当に必要と考え、やる気になればコストも時間もさほどかからないはずです。
以上は、ICTタスクフォースの皆さまの熱心なご議論を否定するものではなく、むしろ補完することを目指すご提案です。ぜひとも真剣に考慮いただくことを切望いたします。
連絡先:
sec@teigen-icttf.jp (多摩大学情報社会学研究所内)
賛同人一覧
公文俊平 情報社会学会会長・多摩大学情報社会学研究所所長
山内康英 多摩大学情報社会学研究所所長代理
会津 泉 ハイパーネットワーク社会研究所副所長
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本庄修二 多摩大学客員教授
菊池達哉 ハイパーネットワーク社会研究所
清田耕平 株式会社OEC
杉井鏡生 インフォメーションコーディネータ
庄司昌彦 国際大学GLOCOM
柳田公市 NPOナレッジネットワーク理事長
春名公一 個人
猪狩典子 国際大学GLOCOM
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五十川芳仁 イソガワスタジオ株式会社 代表取締役
豊福晋平 国際大学GLOCOM
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藤野幸嗣 梅林建設株式会社
津田和範 (株)IMS/(社)日本インターネットプロバイダー協会理事
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山崎富美 個人
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松浦道仁 焼火神社宮司
今井建彦 個人(仙台)
前川 徹 サイバー大学
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渡辺律子 ハイパーネットワーク社会研究所
校條 浩 ネットサービス・ベンチャーズ・グループ
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山戸康弘 個人(大分)
松島隆一 個人(千葉)
塚本 葵 個人