手を添えればできること
半田のまちに吹く風 1
愛知県半田市の郊外に中華茶房うんぷうはある。
ゆったりとしている店でアジアン雑貨も売っている。
ランチはラーメンとサラダバーとドリンクとデザートのセットである。
訪問した日も平日だが女性でにぎわっていた。
争うように食べなくてはいけない人気ラーメン屋は論外にしても、女性がラーメンをゆっくり楽しむには中華ファミレスしかない。
しかし、ここではサラダバーとドリンクとデザートもゆっくり楽しんで、アジアン雑貨まで買える。
しかも、この中華茶房うんぷうはむそうの障害者支援施設で、働いているのは障がいを抱えた人たちだ。
この中華茶房うんぷうがある社会福祉法人むそうの障害者支援施設アートスクェアの責任者小寺充氏に話を伺った。
社会福祉法人むそうは1999年に半田市の民間施設の職員だった代表の戸枝陽基氏が障害のある方の家族と任意団体「障害のある方とご家族のための生活支援サービスふわり」を開始したことから始まる。
その後、障がいを抱えた人の自立のためにカフェ、養鶏所、しいたけ栽培、ホームヘルプサービス、児童デイサービス、学童保育、知的障害者デイサービス、グループホームからそばと大判焼きのお店までを立ち上げ運営している。
障がいを抱えた人や専任スタッフばかりでなく、有償の学生ボランティアが多く関わり、お話を聞いた小寺氏も学生ボランティアだったという。
また、このアジアン雑貨の店の店長は重度身体障害を抱えた女性だが、スタッフは彼女の手に手を添えて発注などの仕事をしてるという。
いろいろ困難を抱えていても、人には誰かが手を添えればできることがある。
このように社会福祉法人むそうでは「障害をひとつの個性として受け止め、個性にあった事業かを立ち上げ、障害者が働ける環境」を生みだしている。