新しい公共をどう創るか
自治体学会 関東フォ−ラム2011 in 東上線沿線
1月29日に「自治体学会 関東フォ−ラム2011 in 東上線沿線」が埼玉県の淑徳大学で開催された。
テーマは、「新しい公共をどう創るか」で、基調講演、分科会などが行われ、関東圏の自治体職員やNPOなどが100人規模で参加した。
開会式のあいさつに続き、基調講演「新しい公共の将来像」として福嶋浩彦氏(消費者庁長官、元我孫子市長)の講演が行われた。
福嶋氏は新しい公共について、市民の公共が本来の公共であり、新しい公共と言われるのは、既成の公共が市民の公共でないためではないかと述べた。
また、ペストフのトライアングルをもちいて公共を定義し、我孫子市の実例を交えながら、自治体(政府)を変えることと、行政のアウトソーシングではない事業のあり方を述べた。
分科会では、第1分科会「協働推進と新しい公共」、第2分科会「地域支え合いと新しい公共」、第3分科会「市民メディアと新しい公共」が行われた。
第1分科会「協働推進と新しい公共」では埼玉での協働推進の事例、第2分科会「地域支え合いと新しい公共」では埼玉で支え合い活動の事例をもとに「新しい公共」を考えた。
第3分科会「市民メディアと新しい公共」では、市民が担う「参加と協働の市民メディア」が新しい公共で担う役割などについて、Slowtimes.netの長岡素彦がコーディネーターとして新聞記者、市民メディア、NPOのパネリストと参加者で「新しい公共」を討議した。
まず、東京新聞記者、横浜市民メディア連絡会、横浜市民放送局共同代表の鈴木賀津彦氏は、メディアや市民メディアの活動について述べた。
鈴木氏は、市民が情報発信の主体となる活動として市民メディアや横浜市民放送局の活動などを語り、「自分で考え取材して伝える」ことが重要であると述べた。
市民映像フォーラム理事長の松下明正氏は、市民メディア的な活動と県協働事業について述べた。
松下氏は、県との協働事業での市民映像記者の養成と番組づくり(CATV・大学などとの協働)、県のコバントンTheMoviでの発信などのついて語り、「問題やまちを発見して伝える」ことの必要性を述べた。
NPO法人市民情報センター ハンズオン埼玉事務局長の若尾明子氏は市民参画の事業であるクッキープロジェクトはどういうメッセージを発信しているか、なぜ、このクッキープロジェクトのDVDをつくったかなどを述べた。
若尾氏は作業所の商品であるクッキーをカイゼンし、販売するクッキープロジェクトを市民がサポーターになり一緒に企画・運営・販売し、また、クッキーでというメディアで発信し、DVDをつくった実例を語り、当事者も市民も企業もいっしょになる「まぜこぜの力」とICTに依拠しないコミュニケーションの重要性を述べた。
その後、参加者とともに質疑・論議を行った。
(まとめは下記の図)
このフォーラムの様子はUSTREAMで放送(配信)された。
第3分科会「市民メディアと新しい公共」では、分科会でこの放送をみて、また、参加者が放送している第1分科会に行き、体感しながら論議した。
付記
Slowtimes.netでは、昨年のメルプラッツ2010「地元のメディア育て」ではメディアリテラーシー、メディフェス2010「コミュニティをつくるメディア・メディアリテラシー」では地元、コミュ ニティと市民メディアをテーマとし、今回は市民メディアと「新しい公共」で論議した。
これをふまえて、2011年、また、3月のメルプラッツ2011では「新しい公共とメディア・メディアリテラシー」を論じたい。