こども環境学会
子どもたちに支援を!緊急集会
4月23日、子どもたちに支援を!緊急集会(こども環境学会東日本大震災支援特別委員会)が東京大学医学部総合中央館で行われた。
こども環境学会はこどもに関する各学問分野の連携による学術研究、提言、実践を行う学会である。
今回の震災に際して年度大会を中止、内部に東日本大震災支援特別委員会を創設して「東日本大震災支援にかかる行動計画」を立案して、この緊急集会で学会員や市民などに広く意見を求めた。
まず、挨拶に続き、趣旨、基本理念、方針、支援策、行動計画などを説明した。
また、今回、学会と連携をはかるユ二セフ関係者の挨拶がされた。
東日本大震災支援でこども環境学会がやるべきこと
子どもの参画による、子どもにやさしい“まち”の再生を目指して
1. 子どもの成育環境の視点に立った復興支援
2. 子どもの声に耳を傾け、子ども自身の回復力を被災地の活力とする支援
3. 復興計画における子どもにやさしいまちづくりへの支援
次に、「東日本大震災による被災地の現状と課題」について話題提供が行われた。
「被災地の現状=被災者の立場から」としてアトリエ自遊楽校の新田新一郎氏(仙台在住)が被災地の現状を述べるとともに、こどもたちと遊びを通じて元気になる東北発の「こどもの笑顔元気プロジェクト」について語った。
「地震・津波・原発事故による被災=避難生活者の立場から」としてNPO 法人ハッピーロードの西本由美子氏(現在、原発地域退去中)は避難民の状況と情報の不足などの問題を語った。
「被災地での子どもの遊び支援=被災地での事前調査を踏まえて」として日本冒険あそび場づくり協会の天野秀昭氏(大正大学特任教授)は調査内容と阪神淡路大震災で行った遊び支援などを語った。
「被災地支援のネットワークについて=被災地の事前調査を踏まえて」として秋津コミュニティの岸裕司氏は学校と地域の融合を行ってきた支店から行った事前調査の様子と支援ネットワークのあり方を述べた。
「被災地での医療支援=阪神淡路大震災、東日本大震災の支援活動を踏まえて」姫路市危機管理監の河原啓二氏 (小児科医)は、支援に赴いた自治体の状況と主に自治体の連携・支援の現状を語った。
「原発事故の現状と今後=放射能汚染地域の復興支援について」として京都橘大学教授小寺隆幸氏が現状の放射能汚染とチェルノブイリ事故がこどもたちにがんなどの発病をもたらしたことなどを語った。
「こども・家族・地域=原発事故避難者への支援を」としてキープ協会の小西貴士氏(写真家)は、自らの阪神淡路大震災の被災経験から協会内で避難者受け入れのプロシジェクを立ち上げた経緯や被災避難者の現状を語った。
そして、「支援活動行動計画の提案」では、テーマ別に分科会で参加者が行動計画案を論議した。
テーマ1「子どもにやさしいまちづくり(ハード)」、テーマ2「子どもにやさしいまちづくり(ソフト)」では、子供や若者の参画で地域の実態に合わせたまちづくりが提案された。
テーマ3「子どものあそび支援・学習支援」では環境整備とこどもの参画を中心とした支援を提案された。
テーマ4「乳幼児の生活支援」では、親も含めたきめ細かい総合的な支援が提案された。
テーマ5「放射能汚染地域の生活再生」では原発・放射能汚染の情報開示と正確な情報提供とこどもの疎開や緊急生活支援を強く要請することが提案された。
また、「共通する視点」として生活支援・空間・時間・情報・被災地とのネットワークが論議された。
その後、フロアセッション・まとめがなされ、今回の意見を反映して、支援活動行動計画や提言をまとめて実行しいてくとのこと。