福島県いわき市長発行との説明がある「被災証明書」が「ヤフーオークション」に出品されていたことが分かった。震災被災者らを対象にした高速道路無料化が東北地方で20日から始まるが、いわき市には「これを取得すれば使えるのか」という問い合わせなどが寄せられた。落札者はいなかったが、市の担当者は「被災者のための制度を悪用している」として警察に届け出ることも検討している。
「証明書」が出品されたのは18日午前1時4分。出品者は「tamakoujou」と名乗り「先着9名様 この証明書があれば6月20日から1年間、常磐道水戸以北、東北道白河以北を無料で通行できます」などと記されていた。価格は5000円で、約5時間後に取り下げられた。商品発送元は埼玉県とされている。写真では市長の公印が確認できず、同市のホームページから印刷した可能性もあるという。
いわき市危機管理課によると、被災証明書は市内で被災した人であれば申請時に被災状況などを説明したうえで、即日取得できる。無料化が報道された5月29日以降から申請が急増し、これまでの発行数は約10万通。
【毎日新聞 金寿英】