第29回開発教育全国研究集会
「オルタナティブな教育と開発教育」
8月6日、7日、第29回開発教育全国研究集会「オルタナティブな教育と開発教育」が東京のJICA地球ひろばで行われた。
「開発教育は、過去30年、「共に生きる公正な地球社会の実現」に向け、さまざまな観点から教育のあり様を提案してきました。東日本大震災の甚大な被害や原発事故、さらには世界各地の貧困や格差、紛争、環境問題などを受けて、開発教育は今後どのような社会、どのような教育をつくり出していくことが求められているのでしょうか。
本研究集会では、「オルタナティブな教育と開発教育」を全体テーマに、全国各地の実践や研究を共有し議論を深めます。 第1部「実践フォーラム」では「広げる」ことを目的に、開発教育の理念や手法、実践から学ぶ機会を提供します。 第2部「研究フォーラム」においては「深める」ことを目的に、実践研究を共有し、4つの分科会を通して、各テーマに関する議論を深め、
開発教育の役割や課題について話し合います。」
第29回開発教育全国研究集会|2011年8月6日~7日|開発教育協会
8月6日(土) 実践フォーラム
朝から、6つのワークショップ体験が行われ、その後、開会式・全体会「お互いを知ろう・DEARを知ろう」が行われた。
ここでは、9.11から3.11までの世界情勢を踏まえて参加者がお互いを知りあい、オルタナティブ教育としての開発教育の役割などを検討した。
そして、自主ラウンドテーブルでは、震災に関連したものから海外のことまで、「言葉がわからない体験ゲーム 何が起こった?」(震災編)、子育てをする日々と開発教育~放射能汚染を受け、命の責任を担う一人の親として、どうする?どうしてる?~、「援助」を始めたら「評価」をしよう!?参加型評価体験ワークショップ、「おいしいチョコレートの真実」学校とNGOの連携事例報告、学校ってなんだろう?~学校の意義と地域に根差した学校建設~、ビデオを使って授業をつくる、小学生と一緒に「マジカルバナナ」、子どもたちの声を政策に~国際協力NGOの試みから~ 、若者のためのESD~「私」から広がる世界、国際協力に向き合う私たち~エチオピアの地域問題を切り口に~、先生に響け!子どもたちに届く!開発教育!~授業組み立てのヒント~、貿易を通じた「フェア」な関係のプログラムが行われた。
その内、「東日本大震災以降の教育・ESD・開発教育」(ESD学校教育研究会)では震災を受けて教育について検討した。
「東日本大震災以降の社会では、今までの持続不可能な社会のあり方が問われるこ とになり、この事態に対して様々な立場の人々や教育が多様な活動をしています。このセッションでは総会の「開発教育の役割と課題~東日本大震災を受けて」を受けて、教育、ESD、開発教育、まちづくり教育、各教育はこの事態にどう立ち向かうのか、そして、今後の社会を教育としてどうするのかを参加者と論議したいと思います。」(趣旨)
まず、「開発教育・国際理解教育について」では、D-net、あんじょう屋本舗の松田剛史氏(ESD学校教育研究会)は、開発教育・国際理解教育について語り、今後のあり方を述べた。
次に、「ESDとまちづくり学習ー After 3.11」では。宇都宮大学修士課程渡邊真弓氏、宇都宮大学教授陣内雄次氏(ESD学校教育研究会)は、今までの行って来たまちづくり学習の実例を述べ、成長社会から転換した縮退社会におけるまちづくり学習とAfter 3.11におけるまちづくり学習の意義を述べた。
そして、「東日本大震災以降の社会のためのESD」では、ESD学校教育研究会の長岡素彦が震災における情報や検証の重要性や新たな社会構想におけるESDの役割を語った。
その後のワークショップでは参加者が東日本大震災以降の教育・ESD・開発教育のあり方を論議した。