第二回「企業とNPOの協働フォーラム」
11月8日、第二回「企業とNPOの協働フォーラム」(共催 埼玉県、公益財団法人埼玉りそな産業経済振興財団)がさいたま市の新都心ビジネス交流プラザで開かれた。
「現在、企業やNPOなどの様々な主体が協働して、それぞれの強みを生かしながら、地域を支えていく社会の実現が求められています。
本フォーラムでは、企業の地域貢献・社会貢献活動が、会社の社会的評価を高める理由やそのノウハウなどについて理解を深めます。また、地域や社会が抱える課題に企業とNPOはどう向き合い、連携・協働していくのかを共に考えます。」(同趣旨)
開会の挨拶に続き、第1部「企業の社会的責任」として埼玉トヨペット株式会社のCSR・環境部社会貢献課「はあとねっと輪っふる」の轟和宏氏の講演が行われた。
埼玉トヨペット株式会社では、トヨタの販売会社に先駆けて、市民との協働による活動「はあとねっと輪っふる」を立ち上げている。障がい当事者団体、子育て団体、シニア団体などと活動を共に行うばかりでなく、同社での未就業障がい者の就労実習、特別支援学級の就労訓練(環境メンテナンス)への協力、大学生のインターンの関係NPOとのコーディネーションなどを行っている。
これらから轟氏は企業とNPOの協働では、「本業に沿った支援」、「地域との交流」「GIVE&GIVE(直接的見返りを求めない)」が大事であると述べた。
第2部「企業とNPOとの協働事例」では、事例1「Jユニフォームがつなぐ絆~障がい児の自立を支援~」として株式会社モビメントと特定非営利活動法人コットンドリームの発表が行われた。
株式会社モビメントは外食産業、オフィス、スポーツクラブなど向けのモビメント(MOVIMENTO)のユニフォームレンタルやクリーニングを行う会社であり、Jリーグの大宮アルティージャのユニフォームのクリーニングも行っている。
この大宮アルティージャの選手ユニフォームのクリーニングを障がい児の自立を目指す特定非営利活動法人コットンドリームに委託し、障がい児が同社でその仕事をしている。
この仕事に、コットンドリームや障がい児、親に戸惑いがあったが、ボランティアの支援と同社が働くための環境整備を行って、現在はもっと多くの障がい当事者が働けることを目指しているという。
事例2「高齢者のための効果的なアニマルセラピー」(株)ユニマットそよ風の熊谷南ケアセンターと特定非営利活動法人セラピードッグすまいるわんの発表が行われた。
ユニマットそよ風のディサービスにNPOと協働でアニマルセラピーを導入しているが、慰問ボランティアではなく、双方が仕事として行っているという。
事例発表終了後、特別ゲストとして、音楽活動を通しての社会貢献活動をしている川越のたかはしべん氏のライブ、交流会などが行われた。
今回の参加者には企業が少なかったが、多くの参加者が事例を通じて企業とNPOとの協働についての理解を深められたと思う。
埼玉地域ファンド研究会でもずいぶん前に埼玉トヨペット株式会社の事例をご発表頂いたが、その時より内容がさらに進んでいた。
埼玉地域ファンド研究会でも数多く優れた事例が発表されており、このように多くの事例を共有することが企業とNPOとの協働が促進されるのではないか。