201109201

 

 

 

 

埼玉地域ファンド研究会 第43回

 

省エネ時代のCSR リフォーム会社 OKUTA


 9月20日、埼玉地域ファンド研究会の第43回「省エネ時代のCSR リフォーム会社 OKUTA」を考える」がさいまた市の(株)OKUTAの本社で開かれた。

 

 同研究会は、まちづくりや地域福祉などにファンドを生かすことを考える人々で構成されている。「都市づくりNPOさいたま」「さいたま地域通貨フォーラム」「市民活動情報センター・ハンズオン!埼玉」のメンバーを中心に、NPO・企業・社協・行政など多様な立場のメンバーと共に多様な切り口でファンドや助成制度やCSR(Corporate Social Responsibility 「企業の社会的責任」)に関する検討を進めているが、今回からエネルギー、「自然エネルギー」などをテーマに加えた。 
  
 「東日本大震災からもうすぐ半年。

  エネルギーのあり方や、そもそもの私たちの暮らし方が問われている中、もっと「自然エネルギー」について知る機会をつくっていきたいと考えています。

  その第一歩として、9月は、LOHASな住宅リフォームを提案する(株)OKUTAのCSRのお話と見学ツアーです。 

 本社ビルのみどりのカーテンや屋上の太陽光発電の実践、 有機農家やNPOとの連携による「こめまめプロジェクト」など、本業を活かしたエコへの取り組みについてお聞きします。」 

 

株式会社OKUTA 代表取締役社長の山本拓己氏
株式会社OKUTA 代表取締役社長の山本拓己氏

 


 今回は、株式会社OKUTA 代表取締役社長の山本拓己氏が同社の事業と活動を語った。

 

 株式会社OKUTAは92年に住宅リフォーム業として創業し、02年に自然素材を多用した「ロハスリフォーム」を提唱して業績をのばしている。


 「ロハス」をあくまでもマーケッティングとして活用し、自然素材やデザイン性を重視する顧客層にターゲットを絞ったことが成功の要因で、主に同じライフスタイル・価値観を有する顧客と取引するという姿勢を貫いている。その顧客層には限界があるが、企業規模を拡大するのではなく、それらの顧客と継続的につきあうという事業スタイルでメンテナンスなどの継続事業で多くの売り上げを上げている。


 また、同時に「社会的課題を事業的に解決する」というコンセプトによって、ロハスリフォームにより顧客の満足が得られるだけでなく、住宅におけるリサイクル、自然素材や自然の活用が環境負荷やライフサイクルCO2の低減につながるという意味では、事業そのものがCSRであるという環境経営・サステナブル経営を行っている。


 その「社会的課題を事業的に解決する」ことを「ロハスリフォーム」、「環境ビジョンの順守」、「社内外とのコミュニケーション」、「社員育成・採用」で実現している。

 

 「ロハスリフォーム」については前述の通りだが、「環境ビジョンの順守」としてリフォーム事業から見学させて貰った本社の太陽光・風力発電、環境建築の導入からみどりのカーテン、屋上農園まで具体化されている。

 「社内外とのコミュニケーション」としては、社長のブログ発信なから環境保全プロジェクトへの参画、有機農家から毎月社員用の有機米を購入する「こめまめプロジェクト」、家族とコミュニケーションする社内報まで多様な試みがなさてれいる。

 「社員育成・採用」では、顧客と同じようにOKUTAの価値観を共有できる社員の採用と、同じく価値観を共有する顧客との取引し、顧客と会社・社員・家族がお互いに持続可能な住環境を築いている。 

 

 さて、山本社長に古材の活用と地元材の活用による森林再生について質問したところ、「古材の活用をしたことがあるが、必要な時に必要な材料が得られないことが多いので限定的ににしか使用できない。地元材の活用は、現状では太い木が算出しないので、細い木を一部使っている」と答えを得た。

 古材利用による現在の国内材に無い良い木の活用はリサイクルであり、また、現在の国内材・地元材の利用は森林再生のために重要であるが、事業を考えると山本社長の答えがひとつの正解だと言える。 


 単に「環境ビジョンの順守」や「顧客の安全安心」のみを実現するのでなく、マーケッティングはもちろん事業として収益をきちんと上げて、「社会的課題を事業的に解決する」


 それがOKUTAだ。

 

このガラスにも仕掛けが
このガラスにも仕掛けが

 

ーーーーーーーーーーーーーーー ★埼玉地域ファンド研究会とは? ーーーーーーーーーーーーーーー 

 

 埼玉県内で、地域福祉やまちづくりに関心のあるメンバーが、 「お金とファンド」を切り口に考えていこうとたちあげた研究会です。 

 ハンズオン埼玉、都市づくりNPOさいたま、さいたま地域通貨フォーラムのメンバーを中心に活動を行っています。

  研究会では、助成金、寄付、地域通貨、CSRなど、多様な切り口で勉強会を毎月第3水曜日に開催中!  

 

【最近の活動記録】

  第32回「東京ガス埼玉支店のCSR グループ内・支店単位でのCSR推進」(2010.2.17)

  第33回「【ワークショップ】魅力的な事業報告書をつくろう!」(2010.4.14) 

  第34回「サデコの福祉支援活動 ~プロボノ活動への期待」(2010.8.26)

  第35回「社会をつなぐコミュニケーション」(2010.10.20) 

  第36回「路地歩き & おいしい野菜を食す会 at 小川町」(2010.1114) 

  第37回「ファンド研忘年会 at 飲んで食べて「のら応援」(2010.12.15)  

  第38回「緊急企画!埼玉で「新しい公共支援事業」を考える」(2011.2.16)

  第39回「埼大発!地域と学生が出会うとき」(震災で中止)

  第40回「食べて飲んで東北応援」(2011.5.18)

  第41回「ココが変わった!新寄付税制&NPO法改正」(2011.7.27)

  第42回「交流会・彩ボールを楽しむ会」(2011.8.17)

 

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