埼玉県坂戸市役所のトイレに「東北の人に使ってもらって下さい」と書かれたメモと一緒に現金一千万円が置かれているのが見つかり、市は二十八日、日赤に東日本大震災の義援金として寄付する方針を決めた。
市によると、現金が見つかったのは二十二日午後一時四十五分ごろ。市障害者福祉課の男性職員が障害者に付き添って市役所一階の障害者用トイレに入った際、レジ袋に入れられて置かれているのを見つけた。中には百万円の束が十個入っていた。添えられたメモには「わしはひとりぽっちです。東北の人に使ってもらって下さい」と黒いボールペンで書かれ、市が三月末に全戸配布したチラシの被災地への義援金受け付けの欄に赤いペンでアンダーラインが引かれていた。
市は西入間署に遺失物に当たるかどうか相談。寄付の意思が強く感じられ、遺失物には当たらないとの回答を得たため、一定期間を経てから寄付することにしたという。