太陽光発電、下伊那に拡大 民間の普及事業「0円システム」
太陽光発電の普及に取り組む民間会社「おひさま進歩エネルギー」(飯田市本町)は、全国からの出資を活用して太陽光発電パネルを民家に設置する「おひさま0円システム」の対象地域を、従来の飯田市内から飯田下伊那地方に広げる。東日本大震災を受けて自然エネルギーへの関心が高まる中、太陽光発電をさらに広める狙いだ。市内分の受け付けを3日に始めたのに続き、12月にも下伊那郡での募集を始める予定だ。
同システムは、希望者宅に無料でパネルを設置し、各家庭はパネルの大きさに応じて電気料として月額1万4200~2万1900円を同社に支払う。発電した電気は各家庭で使い、余剰分は中部電力に販売する。
通常、太陽光発電パネルの設置には200万~250万円ほどかかる。多額の初期費用なしでパネルを設置できるのが同システムのメリット。9年の支払い期間を終えると施設は各家庭の所有になる。
同社は2009年度、この事業を飯田市内の民家を対象に始めた。同年度の設置実績は26件、10年度は22件。3年目となる今回は郡部にもエリアを広げるが、全ての町村が対象になるかは未定という。市内と郡部でそれぞれ30件ほど募る予定だ。
今回の事業のために、市民からの出資を受け付ける新たな資産保有会社「おひさまグリッド2」を設立。全国から出資を募り、その資金などを基にパネル設置を進める。
おひさま進歩エネルギーの原亮弘社長(61)は「地元の皆さんに出資してもらうことで、資金が地域内で循環するシステムを目指したい」と話している。問い合わせは同社(電話0265・56・3711)へ。