世界で一斉に「反ウォール街デモ」、日本では反原発の訴えも
[ミラノ/東京 15日 ロイター]
米ニューヨークで始まった格差是正などを訴える「反ウォール街デモ」は15日、ニュージーランドを皮切りに、オーストラリアや日本、英国やドイツなど世界各地で一斉に行われている。
「ウォール街を占拠せよ(Occupy Wall Street)」と銘打って始まった一連の抗議運動は、主にインターネット上のソーシャルメディアを使って参加が呼び掛けられているが、実際に各地でどれぐらいの人数が集まるか分からない部分も多い。
ニュージーランドの首都ウェリントンでは約200人、同国最大の都市クライストチャーチでは約3000人、2月に地震に見舞われたクライストチャーチでは約50人がデモに参加した。
オーストラリアのメルボルンでは、市街地の中心部に約1000人が集まり、社会格差の是正などを訴える演説が行われた。デモ主催組織「メルボルンを占拠せよ(Occupy
Melbourne)」のスポークスマン、ニック・カーソンさんは「人々は本物の民主主義が欲しいのだと思う」と語り、豪州国内の主要都市で同様のデモが行われる予定だと述べた。シドニーでは、労働組合員や先住民族アボリジニの代表団体メンバーを含む約2000人が、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)の入る建物の近くに集まった。
日本の各メディアの報道によると、東京でも六本木の公園で約100人が集会を開いたほか、日比谷公園周辺を約100人が行進。今年3月の東日本大震災で事故を起こした福島第1原発からの放射能汚染が依然懸念されるなか、東京では格差問題だけでなく、反原発を訴える参加者も見られた。
フィリピンの首都マニラでも、「米帝国主義を打倒せよ」などと書かれた横断幕を持ち、数十人が米大使館に向かってデモ行進した。
これまで反ウォール街デモは概して平和的に行われているが、イタリアのミラノでは14日、学生らが米大手金融機関ゴールドマン・サックスのオフィスに乱入する騒ぎが発生。騒動はすぐに収まったが、学生ら退去したオフィスビルの壁には、赤字で「金をよこせ」と書かれた落書きが残された。またローマでは、ベルルスコーニ政権が打ち出した緊縮財政に対する大規模抗議デモに備え、警察が警戒を強めている。