J1残留を目指す浦和は16日、さいたま市の大原サッカー場で決起集会を開いた。15日の大宮戦に0-1で敗れ、J2降格圏の16位に後退。試合後、ゼリコ・ペトロビッチ監督(45)が辞意を表明してチームは大揺れだが、選手やクラブ職員、その家族ら総勢100人が食事を共にし、大盛り上がり。リーグ残り5試合と29日のナビスコ杯決勝を前に、時ならぬ“お祭りムード”に包まれた。
監督辞意発言の暗いムードは、モクモクと上がる白煙と一緒に大空へ消えた? J2降格圏の16位に転落した大宮とのダービー敗戦から一夜明け、浦和がバーベキュー大会を決行。練習後のピッチ脇でステーキ、焼きそばなどに、選手、スタッフが舌鼓を打った。
「周りはこんなことやってる場合じゃないというかもしれない。でも、しっかり切り替えて有意義な場にしたい」
某選手は残り5試合での逆転残留を固く誓った。「とにかく明るく行こう」とのクラブ側の呼びかけで、夫人や子供らも参加。スタッフの親族が所属する上半身ビキニ姿のフラダンスチーム10人が、踊りを披露するサプライズ演出まで登場。打ちひしがれたはずのチームに笑顔が広がった。
練習前には橋本光夫社長(62)が、大宮戦後に今季限りでの辞意を表明したペトロビッチ監督を事情聴取。意思を確認し、一方的な発言を注意したが、途中解任には発展せず。同監督は練習前ミーティングで「私を信頼できないのなら、この場で言ってくれ」と選手に語ったが、不平不満は出なかったという。
最後はペトロビッチ監督、橋本社長も含め総勢100人で大きな円陣を組んだ。主将のMF鈴木が「ここからはチーム一丸にならないと乗り切れないよ。みんなで乗り切ろう。100%でやって落ちるなら仕方ない」と決意表明すると、「いや、絶対に残るんだ!」と自然と声が上がった。
お家騒動が一転、時ならぬ“お祭りムード”に包まれたが、それも次節22日の横浜M戦、さらに29日のナビスコ杯決勝に向けた気分転換。2000年のJ2降格時は暗いまま沈んだ。今年は笑って生き残る。
サンケイスポーツ