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スローレポート 『S−Report』 (10/27号)
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◆◆◆ 森林活用から考える-暮らしと仕事 ◆◆◆
10月10日、東京の明治大学で協同総研研究フォーラム『森林活用から考える-暮らしと仕事』(共催:協同総合研究所 日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会 )が行われた。
開催挨拶の後に、山形大学農学部教授の菊間満氏が、震災以降の社会では古い社会のパラダイムが無効になりつつあり、新しい社会を今日の事例の様なボトムアップの実践によって構築できるという。 今回の森林や森林に伴う仕事について言えば、FAO(国際連合食糧農業機関:Food and Agriculture Organization of the United
Nations)や政府の森林・林業基本計画やILO(国際労働機関:International Labour Organization)の政策などの問題点を指摘し、その可能性を論じた。
『海人ぬ宝 山人ぬ宝! 高齢者よ!食べて、働いて、楽しもう!』 として沖縄県のクライヴ林産企業組合相談役の佐藤克彦氏が実例を述べた。 佐藤氏は、長年森林組合に勤め、その限界を感じて沖縄県名護市で「食」と「働くこと」と「自然環境」を目指すクライヴ林産企業組合を設立した。
そこでは、高齢者参加によって「限界集落的な地域の状況」を変えて行くために、森林保全たけでなく高齢者でも出来る仕事として農業や安全で安心な農産加工品づくり、それを提供するCafeや産直所を運営・活用し、ヘルスケアと地域づくりを徐々に実施している。
『C材で晩酌を!副(複)業型自伐林家のすすめ』 として高知県のNPO法人土佐の森・救援隊事務局長の中嶋 健造氏は、自伐林をコアにした展開を語った。
今の大規模集約型の林業やそれを補完する中規模林業が、山の仕事を苛酷にしているばかりでなく、大規模営林による森林への弊害について述べた。
また、土佐の森・救援隊が実現して来た副業型の小規模林業により森林が保全され、多くの人が収入を得たことなどを説明しながら、必要な事は「自分の山は自分で管理する。できない場合は 地域の協同の力で山を保全する」と述べた。 単に、伐採だけでなく、C材(残材)のバイオマス利用などでの資源の完全利用を図り、その普及のため、自伐林家養成塾行い、全国で山林所有者だけではなく都市住民などだれもが参加できるなどできる仕事の仕組みを作り上げた。
『もう待てない!自分たちで隣町を救おう!!震災4日後から始まった木造仮設住宅の取組み』 として岩手県住田町町長の多田欣一氏は、林業衰退の中にあって持続可能な森づくりと気仙大工と呼ばれる伝統技術により木を産業とする政策を行って来たことなどを述べた。
東日本大震災の際、隣接する被災地に町内の産杉材で町内での一貫生産の木造仮設住宅を建設した。 もちろん、これは木を活かしたまちづくりの成果であるともに、以前から海外の被災地などに木造住宅を提供するプロジェクトを推進しており、今回はこれを活かしたものだという。
その後のパネルディスカションでは、林業施策・林業の問題点、バイオマス発電の可能性、林業としての協同組合の可能性などの論議がされた。
◆◆◆ ご案内 ◆◆◆
ふくしま会議 3.11以降、未曾有の原発事故により福島の人々は放射能汚染と向き合わざるをえない状況に追い込まれました。暮らしが根底から一変しました。8ヶ月たった今、前向きに生きようとする多くの福島の声が生まれています。それらの声は、ときに小さく、ときに一部の人たちの間でしか共有されていません。人々のいのちと暮らしを守るために、これらの声が集まり交流する場、そしてその様子を県内外、世界の多くの人々に届ける場が求められています。声を行動に。ふくしま会議を開催します。福島の声を届けることも聴くことも、日本にとって、世界にとって、すべての人々にとって、未知の課題と向き合う力になります。様々な意見を集約し、それぞれの人がそれぞれの答えを持ち帰る。「ふくしま会議2011」は、福島の人々が、いま聞きたい話を聞き、いま語りたいことを語る場所です。日本や世界から有識者たちを招き、福島県のこれまでとこれからを語る場所です。内外の英知を福島に結集することで、放射能の不安や、故郷の再生に立ち向かう市民の疑問に応え、ときには車座になって直接語り合う。明日への希望を見い出し、一つ一つのアイディアを実行に移していくこと、
そして、福島の声を世界に届けていくことを目的として、このたび福島の地で開催します。
ふくしま会議概要日時 2011年11月11日(金)~2011年11月13日(日)
会場 【メイン会場】福島大学キャンパス(福島県福島市金谷川1番地)
【分科会会場】福島県内各地 ※詳細は後日ウェブサイトに掲載予定
主催 福島の人々後援 ふくしま会議2011実行委員会
【共同代表】清水修二(福島大学 副学長)、赤坂憲雄(学習院大学 教授)、玄侑宗久(作家・福聚寺(ふくじゅうじ)住職)参加 参加費無料※参加希望の個人・団体を随時募集
内容
【11月11日(金)】テーマ1:「いのちを守る」ex.食の安全、医療対応、放射能の除染など
【11月12日(土)】テーマ2:「明日を生きる」ex.雇用創出、再生可能エネルギーの導入など
【11月13日(日)】テーマ3:「未来をひらく」ex.100年後の子どもたちに残す未来など※詳細は後日
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