授業で体験 あえのこと 金大生らが一足先に味わう
2011年12月5日
神様に供えたあえのこと料理を味わう参加者=輪島市町野町金蔵で
輪島・金蔵地区
一人一人が収穫に感謝
金沢大の地域振興プロジェクト里山里海アクティビティの「能登のおコメ産地ツアー」が一泊二日の日程であり、二日目の四日、参加者が輪島市町野町金蔵地区で、奥能登に伝わる農耕神事「あえのこと」の神事や料理を体験した。(小塚泉)
同アクティビティは昨年から奥能登のお米をテーマに生産者と一緒に販売活動やネットワークづくりに取り組んでおり、生産者や地元住民の協力を得て企画。金沢大の教授や学生ら十五人と住民が参加し、五日に行われる「あえのこと」を一足早く体験した。
空き民家を活用した交流拠点「金蔵ゲストハウス」に、目が不自由とされる田の神様を負ぶって出迎え、風呂に入れてもてなし、参加者一人一人が神様に収穫への感謝の言葉をかけた。料理は地元女性でつくる「あかり会」が輪島塗御膳に赤飯や刺し身、煮しめ、煮豆などを盛り付け、神様に供えた後で味わった。
初日には奥能登の棚田米の食べ比べも体験した。米を提供しあえのことの説明をした生産農家の石崎英純さん(61)は「参加した人は地元の人以上に関心が高く、精神文化の原点をあらためて学ばせてもらう機会になった」と喜んだ。
参加した金沢大人間社会研究域歴史言語文化学系の宮下博幸教員と同外国語教育研究センターの佐藤文彦教員は初めて金蔵地区を訪れたといい「すべて地元でつくられたものを地域の人と味わい一体感があります」と振り返った。七尾市出身で岐阜県飛騨市在住の辻真紀子さんは「味付けがしっくりきました。目に見えないものを敬う心を大切にしたい」と話していた。
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2011120502000116.html