『琉球新報』が守り抜き、居合わせた他メディアが喪ったもの テレビ・大衆文化(第13信)
山口泉 精神の戒厳令下に
すでに「取り返しのつかぬ今」を
もはや「取り返しのつかぬまま」見据えながら、
それでもなお、あの愚者たちに殺されないために――
『琉球新報』が守り抜き、居合わせた他メディアが喪(うしな)ったもの——「オフレコ」コードは何のために存するか? 〔後 篇〕
最初の問題は、この『琉球新報』2011年11月29日付朝刊1面トップの——ある意味、驚天動地の記事が出現したことに対しての、他のメディアの対応である。
なぜ、驚天動地か?
それは“「オフレコ」コード”を平然と破ったからだ。
その驚愕に満ちた反応の最も象徴的なものは、時事通信により、僅か2分の間隔をおいて発信された、以下の2本の記事であろう。
《おことわり=沖縄防衛局長発言について
防衛省の田中聡沖縄防衛局長の28日夜の発言については、時事通信社の記者も懇談会に出席していました。基地問題の背景を説明するのを趣旨としたオフレコ前提の非公式懇談だったため、記事にするのは見合わせましたが、29日朝、一部報道機関が報じたことから、オフレコの意味はなくなったと判断。発言内容を報じることにしました。》
(2011/11/29-13:12)[時事通信社]
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011112900467
《「沖縄と女性蔑視」=防衛局長の不適切発言、地元に憤りの声
沖縄防衛局長が米軍普天間飛行場移設に関する記者との懇談で女性蔑視とも取れる不適切な発言をしたことが伝わり、沖縄県では29日、強い憤りの声が聞かれた。
普天間飛行場の名護市辺野古への移設に反対し、辺野古で座り込みを続ける市民団体代表の安次富浩さん(65)は「この発言で官僚の沖縄施策の根底には、女性蔑視と同様に沖縄蔑視が横たわっていることがはっきりした」とあきれた様子で話した。
女性の人権尊重を訴える市民団体の代表者狩俣信子さん(70)は「米軍基地を多く抱えている中で沖縄には、大変な状況に置かれてきた女性もいる。いくら酒の席といっても絶対に許せない」と憤る。
両市民団体は今後、沖縄防衛局に対し発言に抗議し、普天間飛行場移設の手続きとなる移設先の環境影響評価書を出さないよう国に求める要請行動に幅広い参加の呼び掛けをするという。》
(2011/11/29-13:14)[時事通信社]
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011112900475
言うまでもなく、ここでとりわけ重要なのは、1本目の《おことわり》である。
関連して、他紙の対応も確認しておく。
全文
http://auroro.exblog.jp/14103135/