こども環境学会2011年度集会(東京)
「こどもの笑顔を取り戻す」から
「賢治のビジョンを震災復興、こども環境の手かがりに」向けて
12月11日にこども環境学会2011年度集会(東京)が東海大学高輪キャンパスで行われた。
同学会は、今年の年次大会を中止して東日本大震災支援のための行動計画の立案のための「子どもたちに支援を!緊急集会」を行い、4月に策定した行動計画によって震災支援・復興を行っている。
「子どもたちに支援を!緊急集会」の記事
http://www.slowtimes.net/2011/04/24/201104231/
開会のあいさつでは、会長の小澤紀美子東海大学教授が震災以来の活動を振り返り、「こどもの笑顔を取り戻す」ための今後の活動などを語った。
代表理事の仙田満放送大学教授は、体験したことのない災害を受けて、こども共に「困難を乗り越える力」を養おうと述べた。
復興支援活動のひとつとして日本ユニセフ協会との共同プロジェクト「子どもが元気に育つまちづくり 東日本大震災復興プラン国際提案競技“知恵と夢”の支援」を行い、それの被災地などの多くのこどもや若者のプランが展示された。また、同プランは冊子としてもまとめられている。
2012年の1月には、「子どもの視点からの復興・まちづくりについて考える」を東京で開催する。
2月には、盛岡市、仙台市、福島市(予定)のそれぞれで「子どもの参画によるこどもにやさしいまちの再生を目指して子どもの生育環境の視点に立った復興のあり方について考える」で論議や子ども主体ワークショップなどを行う。
3月には、「子どもの参画によるこどもにやさしいまちの再生を目指して子どもの生育環境の視点に立った復興のあり方について考える」の総括フォーラムを東京で行う。
4月の年次大会をコンセプトは「賢治のビジョンを震災復興、こども環境の手かがりに。」として仙台市で行うために中高生などの参画によってプログラムを現在計画中である。
続いてのポスターセッション発表は「遊び」「保育」「学校」「芸術」「環境」「街」「医療」「非営利活動」などのテーマに分かれて行われた。
小学校教員より運動能力低下にともなう鬼ごっこの導入に関する発表、放課後事業及び学童クラブ運営者より地域のネットワークづくりの発表、保育園へのごっこ遊びの遊具を導入する事で社会化を図るプロジェクトの発表、プレイパークなどの活動をアーティステックに記録するメソッドの発表などが行われた。
また、愛知の農・環境づくりとともに親子の参加の発表、こどものまちミニヨコのこれまでを振り返った発表、そして、私の「路上のファシリテーション「小江戸まち語り」から」を発表しました。
共通しているのはこどもたちの環境が悪化する中で、それぞれの分野でこどもとともにどのように変えて行こうかの試みが述べられていた。
また、こどもたちの自らの試みとして、震災を機にミニヨコでは市民(こどもたち)が大都市型のこどものまちから、小さな村の集まったミニヨコビレッジを構想しはじめたという。
ボスタータイトル等
http://www.children-env.org/活動案内/?action=common_download_main&upload_id=262
その後、学会賞授賞式と記念講演会が行われた。
「子ども支援学研究の視座」として早稲田大学文化構想学部の安部芳絵氏はこどもの参画とその支援の理論的検討内容、こどもへの支援の実例から暗黙知として潜んでいる実践知を述べた。
「きょうだい保育と、子どもたちの生きる力を引き出す家(おうち)」として莫設計同人の松村正希が、こどもたちがきょうだいのように育て合う保育園の設計と、その意義を語った。
「病院における子どものための療養環境整備活動」として名古屋市立大学大学院の鈴木賢一氏はこどもの療養の環境を向上させるために、建築・デザインの学生が小児病棟のホスビたるデザイン行った実践について語った。