福島1・2号機の格納容器、最大72.9シーベルト
廃炉作業困難に
東京電力は27日、福島第1原子力発電所2号機の格納容器内の放射線量を測定、最大で毎時72.9シーベルトだったと発表した。これまで原子炉建屋などで測った数値に比べて、2~3桁高く、人だと数分間いれば死亡する。2号機の格納容器は大きく損傷しているとみられるが、今後の廃炉作業は極めて難しいことが改めて浮き彫りになった。
格納容器の内壁から約1メートル離れた場所と約50センチ離れた場所を計測。それぞれ高さに応じて4カ所、計8カ所を測定した。約1メートルのところで毎時39.0~72.9シーベルト、約50センチのところで毎時31.1~48.0シーベルトだった。
圧力容器を貫通して格納容器の底に溶け落ちたとされる核燃料や、事故時に容器内に拡散したとされる放射性物質が高い放射線量の原因とみている。
東電は福島第1原発1~4号機について、最長40年かけて廃炉にする計画。核燃料を取り出すには壊れた格納容器を補修しなければならないが、今回、当面、人が近づいて作業はできないことがわかった。
松本純一原子力・立地本部長代理は27日の記者会見で「まだ(廃炉計画が)遅れるか早まるかなどは評価できない」と指摘したうえで、「機器の開発をどう進めていくかが今後の課題」と話した。
東電はまた、内視鏡を使って26日に撮影した2号機格納容器内部の動画も公開した。内視鏡が水面に入ると細かい堆積物が舞い上がっている様子が確認できた。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E0E5E2E69D8DE0E5E2E1E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2