分科会2
こどもにやさしい復興計画のあり方とその課題
こども環境学会2012年仙台大会
22日、分科会2「こどもにやさしい復興計画のあり方とその課題」 は、下記の趣旨で行われた。
「本分科会では、テーマを『こどもにやさしい復興計画のあり方とその課題』とし、こども参画を復興まちづくりの中に具体的に展開していくための課題や方向、 方法を討議するもので、被災地のこどもの思いや考え、行政の方たちから伺う復興まちづくりの現状と課題、両者を結び付けるための専門家の知見等を、提示し あうことで、被災地におけるこどもたちの復興まちづくりへの参画の推進を図るものである。
こども環境学会では、震災当初から、いち早くこの問題に取り組んできており、『復興プラン提案競技「知恵と夢」』の実施、『子どもが元気に育つ復興まちづ くりガイドライン』の作成、被災地における連続シンポジウム『子どもの参画による、こどもにやさしいまちの再生をめざして(― 子どもの成育環境の視点に立った復興のあり方を考える―
)』の実施等を積極的に行ってきたが、この仙台大会、あるいはその中でのそれぞれの分科会では、これらの連続した取り組みを更に発展させ、少しでも有効性 のある『復興まちづくりへのこども参画』のあり方、目指すべき方向、具体的な課題、手法等を見出していきたい。」
こども環境学会代表理事の仙田満放送大学教授は、「復興・再生における課題と手法」として環境デザインの5つの柱として関係性、調和性、参加性、統合性、持続可能性をあげ、計画から実現の課題として関係者の参画、創造的解決、再生のための手法として住民参画とコンベンションを提案した。
日本冒険あそび場づくり協会代表大村虔一 氏(元宮城県教育委員長)「復興まちづくりにおけること゜も・市民参画の課題として、住民は個人や地区の利益誘導に陥らない創造的意見の・提案、行政はアリバイづくり的ではない実態調査などが必要であり、住民と行政の協働はもちろん幅広い協働、市民同士の合意形成が重要と語った。
そして、こどもの参画もつまり、こどもからの意見聴取やプラン提案を受け入れる地域や行政は震災復興や少子化時代の地域持続に欠かせない地域の未来の担い手の育成につながる。
岩手県復興局技監の蓮見有敏氏は「計画づくりの段階からごともたちの参画を!」、宮城県震災復興企画部震災復興政策課長の千葉隆政氏は「宮城県震災復興計画におけるこどもの参画について」、福島県子育て支援担当理事の鈴木登美雄氏は「福島県の子どもたちと復興計画」というように震災復興担当の行政職員がこどもにやさしい復興計画のあり方について述べた。
この中では平時のふつうのまちづくりと違う復興まちづくりとごどもの問題が論議された。
複雑な多様性の中での合意形成の難しさと必要性、目標を明確してこどもと大人との役割明確にすることなどの重要性が語られた。
そして、こどもにわかる未来図が公開されていない中で、こども若者の社会力のアップとこどもの参画によって、地域の未来を担うこどもたちが計画をつくることが必要性などが論議された。
現在、こどもたちに楽しんでもらったりするイベントと同時に、こども意見を復興まちづくりの中に反映させるワークショップなども行われている。
他方、復興や回復のため基盤整備には緊急性や優先順位もあり、こどもたちやこども環境の問題は置き去りにされている部分もある。
これらの意味において、実際の県や市町村の復興計画や復興まちづくりの中にこどもの意見・計画を反映させて計画をつくることが重要だと考えられる。
そして何よりも、未来を担うこどもたちの意見が無い未来のまちづくり・計画は問題である。
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