「青年の船」など廃止判定 省庁版仕分け
日経 2012/6/11 21:09
内閣府は11日、事業の無駄を自主的に洗い出す「府省庁版事業仕分け」を実施した。日本と世界各国の青年が船旅を通じて交流する「世界青年の船」を含む青年国際交流(11年度予算で14億6千万円)など4事業を「廃止」と判定した。
1967年から続く「青年の船」に対しては、仕分け人から「参加後に青年がどう活躍しているのか、事業の効果が分からない」「7億円を超える船の運航委託費に正当性がない」といった厳しい意見が相次いだ。
非営利組織(NPO)が子育てや福祉などの公共サービスの実施主体になる「新しい公共」の支援事業も「廃止」の判定になった。「新しい公共」は民主党が政権交代後に国家戦略プロジェクトに位置づけ、NPO支援費用として11年度までに合計96億円を都道府県の基金に交付した。仕分けでは「自治体やNPOに丸投げするずさんな政策」「国に資金を依存するNPOを生んだ」との指摘が出された。
このほか職業ごとの人材の知識や能力を公的に証明する「キャリア段位制度」の導入事業と、東日本大震災の被災地で起業家育成を支援する事業も「廃止」と判定した。
日本学術会議が国際的な学術団体に支払う分担金などの事業費は、意義が不明確として「部分的な改善が必要」と判定した。災害時に関係機関が情報共有するための総合防災情報システム事業については、民間との連携が不十分などとして「大幅な改善を要する」と判定した