20120628

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 スローレポート 『S−Report』 (6/28号)

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◆◆◆  協調・協同に注目する教育のあり方に  ◆◆◆

 

     2012年度EPA(関係性の教育学会)大会
 
6月3日、東京の板橋の大東文化会館で2012年度EPA(関係性の教育学会)大会・総会が行われた。

 以下、WEBでも同じ内容を読めます。
 http://www.slowtimes.net/2012/06/03/20120603/

  「関係性の教育学(Engaged Pedagogy)」は、パウロ・フレイレ、ベル・フックスによって提唱された教授法(教育学)から発展した関係性を基本において教育を考えるもので、関係性の教育学会は学者だけではなく、翻訳家、学生、世界各国で様々な活動をしている人々が参加し、教育における関係性について考え、実践していくものである。  
  関係性の教育学会 http://epajapan.jimdo.com/
 
 当日は、午前は実践・事例・研究発表が行われ、午後には全体会とワークショップが行われた。
 
 午前は実践・事例・研究発表では人びとのかかわりあい、協調・協同に注目する教育のあり方に関してのプレゼンテーションをおこない、討議を行った。
  出水純二氏の「大学1年生が学び直す「会話」としての文章表現」、王力氏、佐藤大紀氏の「日本語を母語としない生徒に対する教育法」 、萱森 優氏、和田さつき氏の「「教師 笹田巌」にこめられた授けないことで自立的、創造的思考を育む英語教育=クリティカルシンキングの実践」などの多言語教育おける関係性と教育の発表がされた。
 松田剛史氏の「持続可能な地域と社会をみすえた学びのあり方」、高瀬唯氏の 「大学生が考える緑地保全活動の参加促進に関する方策」、 長岡素彦の「東日本大震災後のESDー選択的人間関係から共生的社会関係へ」と「地域共創・NPOインターンシップにおける多世代共学・異世代協働ー地域に参画する学びから地域を共に創る学びへ」など地域の活動などの中での関係性と教育の発表がされた。
 山西敏博氏の「「絵本」における「癒し効果」に関する考察」、渡辺岳氏の「高等学校に於けるソーシャルワークを考える」などの社会課題おける関係性と教育の発表がされた。
 
 「大学1年生が学び直す「会話」としての文章表現」では、他者の発言を「どう自分の文章に取り入れ、どう応答」するかという相互関係性を日本語学習に取り入れてライティングを習得することを、「日本語を母語としない生徒に対する教育法」では、多文化共生の基礎になる母語をいかした実践、「「教師 笹田巌」にこめられたこと̶授けないことで自立的、創造的思考を育む英語教育=クリティカルシンキングの実践」では、英語学習において「授けない授業 (生徒に教え込まない)」「生徒が主体的に学び発表する(議論を自己評価、意見やエッセーを書く)」ような「教育は対話だ」という方法が自立的、創造的思考を育んだ事例が提示され、語学教育や多言語、言語習得学習をそれだけにとどめず、学習者の関係づくり、 自立的、創造的思考を育むことの重要性が論議された。
 「持続可能な地域と社会をみすえた学びのあり方」 では、北海道の地域に定住し、その中で学習と行動によって地域を変えた事例、「大学生が考える緑地保全活動の参加促進に関する方策」では学生の調査とワークショップから学生が参加すめための方策、「東日本大震災後のESDー選択的人間関係から共生的社会関係へ」では、東日本大震災の実例から今後のESD・教育が必要なもの、「地域共創・NPOインターンシップにおける多世代共学・異世代協働ー地域に参画する学びから地域を共に創る学びへ」では、実例から多世代共学・異世代協働による地域を共に創る学びのあり方が提示され、地域に参画する学びや地域を共に創る学びのあり方が論議された。
 「「絵本」における「癒し効果」に関する考察」では「3・11」、未曽有の不況により自殺者が増大する中、絵本セラピーでの関係づくりについて、「高等学校に於けるソーシャルワークを考える」では、高校教員として高校生が陥っている貧困、親子関係の断絶を教員自らによるソーシャルワークによって解決した事例などが提示され、困難な社会状況での教育とソーシャルワークが論議された。
 
 午後は全体会とワークショップが行われた。(まとめの図)
 http://www.slowtimes.net/2012/06/03/20120603/

 終わりに、関係性の教育学会学会長浅川和也氏は、これからも皆様の提案をいかしていろいろな問題に取り組みたいと述べ、高校生が陥っている貧困、親子関係の断絶についても提言や方策をしていきたいと述べた。
 
 
◆◆◆             ご案内              ◆◆◆
━ 第30回「開発教育全国研究集会」~DEAR30周年記念大会
━ http://www.dear.or.jp/zenken2012/
━ http://www.facebook.com/zenken2012


日本ではじめて開発教育が紹介されてから30年以上が経ち、 国際協力や教育の
現場でその取り組みはますます広がっています。

本研究集会は、開発教育の取り組みをより多くの方と共有し、広げていくこと
と、関連分野とも連携しながら、その取り組みを深めていくことの2つを目指し
ています。特に30回目となる今回は、これまでの開発教育の実践をふまえ、これ
からの開発教育の方向性を見出せるような意見交換をめざします。

昨年の東日本大震災後、国内における開発や教育を取り巻く状況は、それまでと
大きく変わりました。 こうした状況で、これからの社会形成にとって開発教育
が果たすべき役割は何か、またそれぞれの実践者は何ができるのか、 参加者の
経験交流・意見交換を中心に据えながら、個別のテーマにそって話し合います。
 
▼日時
2012年8月4日(土) 10:00~18:10(9:30受付開始/18:30~自由参加の懇親会)
2012年8月5日(日) 10:00~16:30(9:30受付開始)

▼会場
JICA地球ひろば(東京都渋谷区広尾4-2-24)
http://www.jica.go.jp/hiroba/about/map.html
東京メトロ日比谷線広尾駅下車(3番出口)徒歩1分

▼参加費
2日参加 8,000円(DEAR会員・学生は6,000円)
1日参加 4,000円(DEAR会員・学生は3,000円)
※フィールドスタディ参加者は、別途1,000円が追加でかかります。

▼対象
教員、学生(教員志望の方には特におすすめ)、NPO/NGO関係者、国際協力・交
流関係者のほか、テーマに関心のある方。

▼1日目(4日)のプログラム
9:30- 受付開始
10:00-12:00 ワークショップ体験(6プログラム)
 A 開発教育入門講座「パーム油のはなし」をつかって
 B ワークショップ版・世界がもし100人の村だったら
 C 「援助」する前に考えよう
 D 地球の食卓~フードマイレージ
 E グローバル・エクスプレス~ロンドン・オリンピック
 F エネルギー・ワークショップ
12:00-13:20 昼食・休憩
13:30-14:30 開会式&全体会「開発教育の30年をふりかえる」
15:00-18:10 実践・研究報告(2コマ)&自主ラウンドテーブル(15コマ)
 実践・研究報告(40分×2ラウンド)
 1.命の木プロジェクト 世界の子どもたちに、まず5才までの命を。
 2.大学生の核リテラシーを育むESDの授業実践:インフュージョン・アプローチ
 自主ラウンドテーブル(90分×2ラウンド)
 1.関東大震災の「震災作文」から学ぶ開発教育
 2.「しあわせしわけ」のワークショップ
 3.音楽と平和~音楽は戦争や災害に何ができるのか?~
 4.カップめんから世界が見える
 5.東日本大震災後のESD~持続可能な地域をつくるESDコーディネーター・開発ファシリテーター
 6.現場の変化から学ぶ参加型評価手法:Most Significant Change (MSC)
 7.大学生が行って、見て、感じた「開発途上国」と国際協力
 8.Visible Thinkingワークショップ~本当の豊かさって何?
 9.英国のフェアトレード教材から考える~開発教育×フェアトレード
 10.「世界がもしも100人の村だったら」から10年
 11.日本の主食・お米の自給とTPP問題
 12.世界一大きな授業~NGO、教員、高校生からの実践報告~
 13.新たな防災環境教育へ~災害・そのときあなたは?
 14.世界の「ゲンジツ」~いろんなものさしを子ども達へ~
 15.「水」の授業
18:30-20:00 交流会(参加費別途2,000円)

▼2日目(5日)のプログラム
9:30- 受付開始
10:00-16:00 課題別分科会(4コマ)+フィールドスタディ(2つ)
 第1分科会 エネルギーの授業をつくろう
 第2分科会 震災後の学び~授業づくりの視点と課題
 第3分科会 開発教育の過去・現在・未来-DEAR30周年を迎えて
 第4分科会 やってみよう、ミュージカル♪
 フィールドスタディ1 山谷フィールドスタディ(東京都墨田区)
 フィールドスタディ2 持続可能な開発と地域のとりくみ(埼玉県小川町)
16:15-16:30 発表会(自由参加)

▼主催
特定非営利活動法人 開発教育協会/DEAR

▼協賛協力
(独)国際協力機構

▼後援
外務省、文部科学省、(財)自治体国際化協会、(特活)国際協力NGOセンター、
(特活)関西NGO協議会 ※一部申請中のものを含む

▼参加申込み・お問い合わせ先:
特定非営利活動法人 開発教育協会(DEAR)
〒112-0002 東京都文京区小石川2-17-41富坂キリスト教センター2号館3階
TEL 03-5844-3630 FAX 03-3818-5940(平日10:00~18:00)
http://www.dear.or.jp/zenken2012/
http://www.facebook.com/zenken2012
※各プログラムは定員に達し次第締切ります


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