日本環境教育学会
環境教育教員セミナー2012
8月10日、「日本環境教育学会 環境教育教員セミナー2012」(日本環境教育学会 ) が東京の立教大学で開催された。
(後援:環境省 文部科学省 経済産業省 国土交通省東京都教育委員会 豊島区 豊島区教育委員会 全国小中学校環境教育研究会 全国連合小学校長会 全日本中学校長会 他)
まず、全体会では同学会の阿部会長挨拶とガイダンスが行われた。
阿部氏は、昨年の東日本大震災を受けて環境教育もいろいろと再検討を迫られたことを述べ、今年開催されたサミット「リオ+20」でも地球の未来をつくるESD持続可能な教育が重要なテーマとなり、参加者も未来をつくる環境教育を学んでほしいと述べた。
ESDとはヨハネスブルグサミットにおいて日本が提唱し実現した「国連持続可能な開発のための教育の10年」は、2005年から2014年迄行われる「持続可能な開発のための教育=Education for Sustainable Development」のことである。
これは社会・環境・経済・文化の視点から、人類が直面する様々な課題に取り組み、公正で豊かな未来を創る「持続可能な開発」を実現する力を、世界各地に生きる私たちひとり一人が学び育むことを目指している。
午前の分科会は「新学習指導要領(教育要領・保育指針)と環境教育・ESD」改訂された指導要領(教育要領・保育指針)のもとでの環境教育やESDについて、幼保・小学校・中・高等学校に分かれて、内容や実践方法を学びます。」(敬称略)
●幼稚園・保育園分科会 大阪大谷大学教授・幼児教育実践研究センター長 井上美智子
●小学校分科会 文部科学省初等中等教育局 視学官 日置光久
●中・高分科会 文部科学省初等中等教育局 教科調査官 濱野清(社会科)
国立教育政策研究所教育課程研究センター 五島政一(理科)
このうち、「中・高分科会」では、まず、「今、学校教育でもとめられるESDとは?」として、文部科学省初等中等教育局教科調査官の濱野清氏(社会科)が述べた。
濱野氏は、「ESD持続可能な教育」の概念、展開、指導要領との関係、社会科における実践などを語った。そして、環境教育やESDが今必要とされる理由について、社会の持続不可能な状況や震災などへの対応のためにも他分野と連携する問題解決をあげ、学校でのつながる化と見える化を説いた。
次に、「中学校・高等学校におけるESD」として国立教育政策研究所教育課程研究センター五島政一氏(理科)が述べた。
五島氏は、日本の現状、指導要領の方向性、ESDと環境教育の違いなどを語った。そして、国立教育政策研究所で行った「学校における持続可能な発展のための教育
(ESD)に関する研究」にもとづいて実際の学校教育で展開を具体的に述べた。
午後は「テーマ別分科会」が行われた。(敬称略)
① 今すぐできる。子どもたちのためのビオトープ 田邊 龍太(日本生態系協会)
② 意図的計画的な授業から、未来を志向した学習へ 石田好広(全国小中学校環境教育研究会)
小島雄貴(足立区立弘道小学校)
③ 「原発事故のはなし」体験WS 内田隆(埼玉県立小川高等学校)
石井信子(千葉市立平山小学校)
小玉敏也(麻布大学)
④ 森のようちえんの意義を考える 今村光章(岐阜大学)
西澤彩木(せた♪森のようちえん)
⑤ ESDを学校教育でどう進めるか?! 五島政一(国立教育政策研究所)
岡本弥彦(岡山理科大学)
⑥
環境教育の教材開発
京極徹(日本環境教育フォーラム )
平井和也(NPO法人海の自然史研究所)
飯沼慶一(成城学園初等学校)
下の写真はプライバシーに配慮して鮮明ではありません。
テーマ別分科会「ESDを学校教育でどう進めるか?!」では、岡山理科大学の岡本弥彦氏が「学校における持続可能な発展のための教育(ESD)に関する研究」にESDの学校指導過程を構想し展開するための枠組みや、その学校での具体的な展開の方法を述べた。
次に、参加者がグルーブに別れ、ESD学習指導題材アイディアシートを使ったワークショプを行った。そして、参加者は天城地域学習、国際学習、遺伝子、自動車、森林、里山などのテーマで学習指導を考えた。
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