NGO・企業・地域と学校の連携で豊かな学びを生み出そう
発展編 地域の人や課題と学校をつなぐ
平成24年度環境保全戦略講座
11月17日、「NGO・企業・地域と学校の連携で豊かな学びを生み出そう 発展編 地域の人や課題と学校をつなぐ」(平成24年度環境保全戦略講座 環境教育分野)が東京青山で行われた。
(主催:独立行政法人 環境再生保全機構 地球環境基金部 企画・協力 :認定NPO法人 持続可能な開発のための教育の10年推進会議)
「豊かな環境学習を学校で展開したい
そんな思いを持つ学校の先生や環境NGO、企業、地域の人々はたくさんいます。でも、いざ外部講師が学校で授業を展開しようとすると、学校に受け入れられなかったり、授業がうまくいかなかったり・・・。でもそれには理由があります。
環境問題をよく知っているだけでは、学校で子どもたちの学習の場を作れるとは限りません。
この講座では、NPO、企業、地域の人々などの外部講師予備軍と、学校、そしてそれらをつないでいくコーディネーターの皆さんが一緒になって、子どもたちにどのような学びを生み出そうとしているのか、そのためには何が大切かについて学びあい、よりよい連携を生み出す力をつけたいと思います。」
持続可能な開発のための教育の10年推進会議による進行の説明と学んだこと、難しかったことなどの振り返りが行われた。
次に事例研究が行われた。
「天城学習を通して生徒の自尊感情を高める」として伊豆市教育委員会の大塚明氏は中学校の事例について述べた。 大塚氏は、天城中学校の校長の時代に地域の衰退や生徒の自尊感情の低下を問題としていた。その解決として、ESDをもとにして生徒の自尊感情を高め、地域を活性化するために教員を説得し、天城学習をつくりあげた。 天城学習は天城中の培ってきた伝統や総合的学習の時間を整理して、地域と係ることで生徒の自尊感情を高めるものである。
「連光寺小学校の特色ある教育活動」として多摩市連光寺小学校・教育連携コーディネーターの羽澄ゆり子氏は教育コーディネーターの事例について述べた。 地域で学校にかかわっていた羽澄氏は、多摩市が制定したピアティチャーとなり、学習支援や学校支援を行っていた。その後、地域と学校をすすめる教育連携コーディネーターに就任し、ESDを導入し、川や里山をフィールドとして「ふるさとを学ぶ」から「学びをふるさとにいかす」教育を展開している。
「環境市民のエコスクール事業」としてNPO法人環境市民理事の下村委津子氏は環境NGOの事例について述べた。
環境市民はビジョンを明確にもち、ネットワークによって環境問題の解決を図るために多様な活動をしている。
下村氏は、学校での環境学習プログラムエコスクールを兵庫県加西市に導入し、生徒が中心となり教員や保護者、地域とともに活動をコーディネーターして推進してきた。
エコスクールを生徒が地域で自発的に行ってきた結果、地域も生徒も変わったという。
これを受けて参加者がグループに分かれて、講演や講義から学んだことを論議した。
その後、実習として参加者がグループに分かれて授業案づくりを行った。参加者が持ちよった授業案を検討し、別の参加者がアドバイスを行って、それを発表した。