フォワードカフェ「高校での福祉教育」
(主催 コムケアセンター)
3月30日、フォワードカフェ「高校での福祉教育」(主催 コムケアセンター)が東京湯島コムケアセンターで行われた。
コムケアセンターは、狭義の福祉ではなく、「大きな福祉」を理念とした緩やかなネットワークをつくっている。
フォワードカフェは、自殺に関する本人支援やサポーターの役割などを検討することからはじまり、自殺を生み出す社会自体の問題を考えるものである。
その発展として、今回は若者のあり方や「高校での福祉教育」をテーマとして神戸の六甲アイランド高校の福祉科主任教諭の吉田高子氏が同校の実践を中心に語った。
同校では、職業高校ではなく、高校の教科として「福祉」を展開している。
同氏は高校の福祉教育には、国民的教養としての福祉教育、進路選択の一つとしての福祉教育、福祉人材の養成としての福祉教育があると言う。
しかし、現在では、職業高校の福祉人材の養成のための福祉教育となっており、普通の生徒が身につけるべき国民的教養としての福祉教育がおざなりになっている。
その中で、「幸せづくり、笑顔づくり」を目標とした同校では「福祉=ふくし=大きなふくし=しあわせづくり」ということで、人としての倫理や生き方などを学ぶ場にしている。
その結果、ボランティア活動や社会的関心の高い生徒が生まれ、福祉業界に限らず、大学や社会からもとめられる人材が育っているという。
次に、神奈川県立高校教諭の渡辺岳氏(社会福祉士)が普通高校で20年以上行ってきたボランティア体験学習と高校生の東日本大震災支援を語り、国民的教養としての福祉教育の必要性を述べた。
また、よりあい*ええげえしの須田雅子氏は、埼玉県で埼玉県福祉教育・ボランティア学習推進員として学校で福祉教育をすすめている彩の国福祉教育・ボランティア学習推進員ネットワーク(あったかウェルねっと)の活動やよりあい*ええげえしのシニアの福祉教育的活動について述べた。
その後の論議では国民的教養としての福祉教育のあり方や若者が受ける福祉教育などについて語られた。
フォワードカフェ主催者のコムケアセンター代表の佐藤修氏は
「様々な立場の人が、心を開いて、社会のあり方や自らの生き方をそれぞれ問いなおしていくことが、
大きな福祉、誰もが気持ちよく暮らせる社会、誰も自殺に追いやられない社会につながっていくはずです。
そんな思いで、フォワードカフェはこれまで以上に、幅広い人が、支えあいながら、話し合えるカフェサロンにしていければと思っています。」と述べた。