201305151

前双葉町長
だまされた

あの時、私はヘルスケア双葉で避難誘導していました。3月12日 夕刻、職員、警察官、自衛隊員、そして利用者のご老人があわただ しく支度をしていた、その時です。にぶい低い爆発音が響き、作業の手がとまりました。みんな事態が理解できずにいると、わずかな間をおき、ぼたん雪のようのように細かい断熱材が空一面にぼろぼろ降ってきたのです。今でも鮮烈な記憶です。「なんだ、これは。もう、終わったのか、死ぬのか」とみんなが思ったものです。それでも私たちは半泣きで、避難に取り組むしかなかった。絶対安全と聞かされていた原子炉が、爆発したのです。


町民の避難ルートは、風向きを見て被ばくしないように配慮したのですが、南北を走る国道は地震で使えなかった。結果的には放射能を浴びてしまった。国が指示するというわけでもなく、多くの人はそれぞれ自分の判断で避難したのです。もちろん、SPEEDIの情報などありません。ひどいものです。

私は、子どもたちに安定ヨウ素剤を年齢制限して飲ませました。「町長、どうする」と聞かれ、「私が責任をとるので、飲ませろ」と指示しました。今でも副作用のことを考えると気が重いです。もちろん、国からも県からも、何も指示はありません。私たちは、放射性のヨウ素に完全に被ばくしています。

あの日から1年も経って、福島県からモニタリングポストの観測データが発表されました。爆発前すでに、羽鳥地区で毎時1.59ミリシーベルトもの高レベルの放射能が出ていたというのです。その頃、この地区には老人、乳児、子ども、妊婦も30人弱がいました。東電も県も、もちろん国も、何も私たちに知らせなかった。

人の言うことを信じてはいけない。
原発をつくるときも、事故が起こったあとも、だまされたのです。

■(KAZE補足)
枝野官房長官は3月11日夜の記者会見で以下のように述べた
「これは念のための避難指示でございます。放射能は現在、原子炉の外には漏れていません。今の時点では環境に危険は発生していません」


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編集:高橋仁也
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