ESDテーマ会議2013
10月19日、ESDテーマ会議2013(主催 「ESDの10年・世界の祭典」推進フォーラム、共催「ESDの10年·世界の祭典」推進ファーラム認定NPO法人「持続可能な開発のための教育10年」推進会議(ESD-J)、岡山市、他)が 岡山コンベンションセンターで開かれた。
昨年までの会議の成果と今年の事前会議を経た「5つの重要テーマを切り口に、それぞれの事例からESDの効果・成果や課題を探り、日本の中でESDをもっと広めていくためのワークショップです。今回は地元・岡山の優れたESDプロジェクトとコラボレーションし、ESD先進地域・岡山の取組みについてもよく分かるプログラムを実施します!」
開会の辞の後、5つのテーマの説明が行われた。
「防災教育と気候変動教育」は「"災害への対処"···防災·気候変動に対するための事前·事後の教育」をテーマに行われた。
まず、コーディネーターからこれまでの会議の経緯が語られ、基調「東日本大震災の教訓と提言」が気仙沼市教育委員会の及川氏の講演行われた。
ゲストからの報告として、「気象予報キャスターの視点から」として気象予報キャスターの岩谷忠幸氏が語り、「絆というライフライン」として阪神淡路大震災の時の神戸市長田区の連合長会長だった川福克己氏が地域の自主防災組織の必要性についてのべ、一般市民の視点から「防災教育が続くには」として共同通信の所澤新一郎氏が取材に基づいた事実や日常防災を語った。
その後、参加者がグループに分かれて、防災とESDついてのワークショップを行い、発表した。
「生物多様性とESD」は「"流域"でつなぐ」をテーマに行われた。
まず、コーディネーターからこれまでの会議の経緯が語られ、基調として鶴見川流域ネットワーキングの岸由二氏が世界・地球の持続可能性には気候変動が重要で、それには二つの対策「緩和策」と「適応策」が重要であるが、その具体的な鍵は流域にあると述べ、行政単位ではなく自然単位の流域管理を述べた。
ゲストからの報告として「サステナブルな北海道の地域づくりに向けて」としてさっぽろ自由学校「遊」の小泉雅弘氏が流域とアイヌの権利回復について、「中部ESD拠点2014プロジェクト」として中部大学の古澤礼太氏は伊勢・三河湾流域圏ESD講座について、水辺のユニオンの岡野智博氏により水辺の富の絆の創出について語った。
「持続可能な生産と消費」は「岡山の実践事例から考える持続可能な生産と消費」をテーマに行われた。
まず、コーディネーターからこれまでの会議の経緯が語られ、基調として損保ジャパンの関正雄氏がCSRについて語り、ゲストからの報告として岡山の企業トンボの小桐登氏、山田養蜂場の寺田憲司氏、広島修道大学の西村仁志氏による報告を聞き、ワークショップを行った。
その結果、「岡山の実践事例から考える持続可能な生産と消費」ととしては、「晴れの国!岡山でソーラー」、「地元岡山の企業を育てる」、「岡山ESDの特徴の公民館をハブに」、「地域単位での消費者と企業の対話」、「目利きを育てる」などが提案された。
「歴史文化遺産と人材育成」は「「観光」と「教育」の融合」をテーマに行われた。
まず、コーディネーターからこれまでの会議の経緯が語られ、先進事例から学ぶとしてESD奈良円卓会議について奈良大学の加藤久雄氏より、太田市石見銀山の取組について太田市の大國晴雄氏より、矢掛高等学校・矢掛町の取組について矢掛中学校の室貴由輝氏より、和気閑谷高等学校の取組について同校の香山真一氏より報告された。
ワークショップでは多様なスタークホルダーのプラットフォーム、実践を推進する人材の育成、プラットフォームを継続するにはなどをテーマに行われた。
「貧困撲滅と社会的公正のための教育」は「ジェンダー平等と社会的公正」をテーマに行われた。
まず、コーディネーターからこれまでの会議の経緯が語られ、基調としてジェンダー・アクション・プラットフォームの目黒依子氏、「雇用に関する国際的視点」としてILO駐日事務所の上岡恵子氏から、「ジェンダー研究者の視点から」として北九州サスティナビリティ研究所の織田由紀子氏から、「途上国支援の視点から」としてアジア・コミュニティ・センター21の鈴木真理氏から、「地方自治体の立場から」として岡山市の真邉和美氏から報告があった。
ここからジェンダー平等をすべてのESDへの展開、ジェンダー平等が最も遅れた層への啓発、ESD政策への市民社会視点の導入、国際協力へのESD視点の導入などが提案された。
全体会合では5テーマのまとめ個別発表が行われ、ESDJ代表理事の阿部治氏と環境省の 環境教育推進室長.吉田一博氏とテーマ代表者のクロスセッション、会場との対話が行われた。