3月16日の盛岡の岩手大学のESDいわてミーティング「復興とESD」(主催 ESDいわてミーティング実行委員会、ESD学校教育研究会)は大雪の中に行われました。
ESDいわてミーティング「復興とESD」は、国連「持続可能な開発のための教育の10年」の総括年の今年に各地で行うESD地域ミーティングのひとつであり、復興をテーマとして下記の趣旨で行われた。(翌日の岩手日報に掲載されました。文末)
東日本大震災でつらいことがたくさん起こった「が、そこに現れたのは、たくましく成長していく子どもたちの姿でした。ここにも持続可能な未来を作っていく教育のヒントがあるのでは ないかと考え、震災後、子どもたちや若者を支援し続けて来た方々にお集りいただき、そのエッセンスを話し合う中から、私たち大人が今後子どもたちと一緒に考えるべきことについて学んでいきたいと思います。」
スピーチでは、岩手県立大槌高等学校用務・山田町船越小学校元PTA会長が黒澤克行氏が避難所運営と困難の中での小学校再建について、特定非営利活動法人 遠野まごころネット理事長多田一彦氏は官に頼らない市民の震災支援と経済復興について、特定非営利活動法人三陸産業復興支援代表理事高橋辰昇氏は鮮魚店として行った復興支援とこどもの復興について、国道45号線に笑顔を届け隊隊長佐々木雷蔵氏は仕事をしながら行った震災支援と学生たちと行う復興について、特定非営利活動法人 くらしのサポーターズ副理事長吉田直美氏は支援として相談、復興としてのとお金だけに頼らない持続可能な地域づくりについて語った。
「ESD・コーディネーター」では認定NPO法人「持続可能な開発のための教育の10年」推進会議(ESD-J) 理事・ESD学校教育研究会の長岡素彦がESDとESDコーディネーターについて述べた。
未来をつくるワークショップでは、全員で今後取り組んでいきたいこと、それに対してどんなサポートについて論議して、これからの社会をどうしたらいいか、地域をつなぐにはなどを検討した。
その結果、復興とESDについての3つの提案ができた。
・自然の恵みをいかし、地域の知恵によるホヤなどの海産物のブランディングで持続可能な経済づくりをすすめる
・地域で学校を核にしたコミュニケーションをすすめる
・地域で話し合い・合意形成による小さな自治・持続可能な地域づくりをすすめる
さて、参加者から多くの声を頂き、スピーカーからも下記のコメントを頂きました。
「先日の「ESD」ESDとは、社会の課題と身近な暮らしを結びつけ、新たな価値観や行動を生み出すことを目指す学習や活動です。
例えば、持続不可能な社会の課題を知り、その原因と向き合う。それらを解決するためにできることを考え、実際に行動する。そのような経験を通じて、社会の一員としての認識や行動力が育まれていきます。
正に、それです!
今の思い(課題)を、若者に伝え(学習)、今後将来的にどうすればよいか(対策)、その為の行動(実践)をする。
その小さな活動が...地域社会を生かす(過疎からの脱却など)こと...
それが、小さな町でも皆が平等に生きていくことなのです。
(中略)
今の活動が、2年後、5年後に、正しいのかは疑問です。
「ESD」持続可能な開発のための教育とは、常に時代(情勢)を考え、時代ごとに形を変えることでもある...
それが10年後でも....それは当初の目的の為なのです!」
特定非営利活動法人三陸産業復興支援代表理事高橋辰昇氏
「今回このESDミーティングにお呼び頂いたので参加してみたが、あの時、避難所を運営する側にいて、また同時に小学校のPTA会長で学校の再建に奔走したことは当事者として行動したのだがそれをESDにどのように反映させればいいのだろうか。
ちょっとぐらいはESDのためになったのだろうか。」
岩手県立大槌高等学校用務員 山田町船越小学校元PTA会長 黒澤克行氏
「そう。復興は今の若者たちの知恵とチカラで進めるものと思っております。
大人は、意見するより転ばない様に、踏み外さない様に見守り、導くのが役割だと思っております。」
国道45号線に笑顔を届け隊 隊長 佐々木雷蔵氏
最後に、ESDいわてミーティング実行委員会の梶原さんの言葉を引用します。
「知識はどのように使うか、その学びが今の社会や学校教育の中ではあまりなされていないように思います。
こどもたちやおとなが未来を描けないのは、その知識がどこでどのように使われるのか見えないからではないのかなと思います。
だけど、災害あとで学ぶことって、どのように使われるかがわかったあとで、知識や工夫がついてくる。
そして、未来を描くことができる。」
岩手大学教育学部准教授・ESD学校教育研究会 梶原昌五氏
これらは全国各の地域ミーデングの結果とともに「ESD市民提言フォーラム」(6月21.22日・東京)に反映される。
岩手日報に掲載されました。