iSPP 情報支援プロボノ・プラットフォーム
総会・記念セミナー
6月28日、福島県南相馬市(及び東京、仙台)でiSPP 情報支援プロボノ・プラットフォームの総会・記念セミナーが行われた。
iSPP 情報支援プロボノ・プラットフォームは震災支援をICTによる情報支援で個人が自分のスキルを生かして行うプロボノ団体で、東日本大震災などの災害の直接支援の他に調査・提言・仕組みづくりを行っている。2013年度は「超広域災害における NPO の連携モデル」調査、情報支援レスキュー隊、「IT☓災害」会議、被災地スタディツアーなどを行ってきた。
今回のiSPP 情報支援プロボノ・プラットフォームの総会・記念セミナーは南相馬をメイン会場として東京、仙台のネットで結んで開催された。
「震災から3年が経過して、復興しつつあるところ未だ方針も決まらないところ、被災地の状況も斑模様を呈している状況かと存じます。
このような中で、原発被害のある地域は未だに深刻な状況であり、未来に向けて復興に取り組んでおられる方々も多くいらっしゃいますが、風評被害をはじめ停滞している経済活動の中で悪戦苦闘されている状況です。
本年のiSPP総会では、このような情況に置かれている南相馬をメイン会場として東京と仙台をビデオ会議システムで結んで3元中継で開催します。
南相馬会場では行政、地元経営者、NPO団体等のキーマンに、現在の状況と復興に向けての課題及び将来ビジョンについてご講演いただくとともにワークショップも開催して思索を深めたいと思います。
南相馬会場では総会に引き続き、農家民宿し翌日は相双地域の視察ツアーも開催いたします。ご都合にあわせていずれかの会場でご参加いただければ幸いです。」(趣旨)
まず、「南相馬の復興に向けた取り組みについて」として南相馬市経済部企業誘致担当の狩野成昭氏は、南相馬市の経済・産業復興のために核となる企業を誘致しているが困難も多く、また、市内の企業・商店などの復興、起業にも東電補償との兼ね合いですすまないと述べた。
次に、「20キロ圏内、避難指示解除準備区域に開設されたコワーキングスペース」として南相馬の小高ワーカーズ・ベース和田智行様は、東電賠償に影響するため仕事を再開できない、起業出来ないところで、コワーキングスペースやインキュベートを行う難しさを語った。
そして、「南相馬におけるIT関連の人材育成と今後の取り組みについて」として南相馬ITコンソーシアム監事の但野謙介氏は、ITコンソーシアムをつくり企業や研究機関などと訓練や仕事の受注を行っているが、ICT情報産業の基盤のない地域での展開の困難さを述べた。
震災と放射能の影響で仕事を奪われ、住民が流出していく中で、経済・産業復興をICTで行うために行政・インキュベーター・コンソーシアムがICT情報産業の基盤のないなか奮闘しているが、制度や東電賠償の問題で困難を極めている。
しかし、 政府はこの状況に有効な施策を打ち出せていないが、南相馬の住民、行政、インキュベーター、コンソーシアムが南相馬の経済・産業復興に向けた取り組みは着実にすすんでいる。