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スローレポート 『S−Report』 (3/8号)
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名古屋研究会定す。
◆◆◆ 名古屋研究会 ◆◆◆
未来の学びと持続可能な開発・発展研究会名古屋研究会
日時 2018年3月18日 17時-19時
場所 名古屋国鉄会館 会議室 桜 (名古屋駅 徒歩5分)
愛知県名古屋市中村区椿町20-15
http://www.kaikan.758p.com/?page_id=12
未来の学びと持続可能な開発・発展研究会は、異なる専門分野(社会学、法律学、環境心理学、行政、教育等)の実践的な研究者の分野横断的・越境的研究・実践団体です。
主なテーマは「持続可能な開発・発展・SDGs持続可能な開発目標」と「教育・PBL (Project Based Learning・Problem Based Learning)・ESD(Education for Sustainable Development)」の実践と研究です。
今回、長年中部圏と世界でご活躍された淺川先生の「こころ・からだ・教室・地域・世界をつなぐ」を行います。また、村山先生からもつなぐ講演あります。
主催 未来の学びと持続可能な開発・発展研究会
共催 関係性の教育学会
淺川先生退官記念
「こころ・からだ・教室・地域・世界をつなぐ」
東海学園大学 教授 淺川和也
「師弟同行の学びと遊びでつなぐ大学と地域とサブシステンス」
武蔵野大学客員准教授・麻布大学講師 村山史世
参加費無料・参加者はご連絡ください。
◆◆◆ おしらせ ◆◆◆
未来の学びと持続可能な開発・発展研究会(みがくSD研)
第24回大学教育研究フォーラムにて、今年も発表します。
【第24回大学教育研究フォーラム】
日程:2018年3月20日(火)、21日(水・祝)
場所:京都大学吉田南総合館、百周年時計台記念館
http://www.highedu.kyoto-u.ac.jp/forum/2017/
・個人発表
「新学習指導要領と地域連携教育に関する実践研究ーSDGs・ESD」 長岡素彦
第24回大学教育研究フォーラム
持続可能な地域・世界をつくるPBL・地域連携教育
いろいろな種類の魚がいる。一匹一匹独自の味をもっている。 同じ魚でも、さばく部分によって味が全く違う。 また、それらを料理する人によっても味が変わる。 ひとつのネタがいろいろな味になる。
火の玉講師・山形琢也の『なぜこのオッサンの話はおもしろいのか!?』から
企画の趣旨
私たちは、各々ローン・ウルフ的に「持続可能な地域・世界をつくる PBL」「地域連携 教育」を全国各地の様々なフィールドで長年、野火的に行ってきた。それが、ひょんなこ とから、数年前に私たちの一部のメンバーが中心となって「未来の学びと持続可能な開発・ 発展研究会(みがく SD 研)」※が結成され、以後、みがく SD 研を御旗にして、取り憑か れたように様々な学会等をゲリラ的に押しかけて話題提供してきた。同フォーラムにおい ても第 22 回「PBL における研究活動と教育実践のインタラクション」、第 23 回「教育実 践が大学教員にもたらす越境性(Transboundary)と多様性(Diversity)」を報告している。
みがく SD 研の一連の諸活動における最大の成果は、みがく SD 研を無邪気に面白がり、 同じ問題意識を持つ人々が、ハーメルンの笛吹き男に導かれた子どもたちのように、我欲 を捨てて専門分野を越えてみがく SD 研に大勢集まってきたことである。これが、今回の 話題提供者(11 匹のオッサン+1 名の非オッサン)なのだ!
今回は、みがく SD 研の新進気鋭メンバー2 名+真打 1 名による話題提供とフォーラム 当日に最も活きのいいネタを持ち寄ってくれた参加者によるインプロ(Improvisation) 発表を端緒に、みがく SD 研的な視座からの談論風発を通して持続可能な地域・世界をつ くる PBL・地域連携教育についてみんなで深く考えていきたい。
1.地域連携教育における「悪しき実践」をどのように検証するか (早川 公)
2013 年度より、文科省の「地(知)の拠点」整備事業(いわゆる COC)が始まり、選 定大学を中心として各地で地域連携教育が活発に展開された。さらに 2015 年度からは、 COC に並行して COC+事業が稼働し、地方大学の多くはこの教育「改革」プロジェクト に巻き込まれている。そして、COC が「完成」年度を迎えるにあたり、今後はどの大学の どのような取組みが優れたものであるのか、という検証の議論が始まると思われる。
議論において、本フォーラムの目的が「大学の教育に関わる優れた実践と研究の成果共 有と蓄積」とあるように、「優れた実践」は議論の俎上に乗りやすい。一方で、「悪しき実 践」はこうした議論の場に上りづらい傾向があると思われる。そこで本報告は、「悪しき実践」かどうかを検証するために、ソフトウェア開発で用いられる「アンチパターン」概念 を手掛かりに、「挿話」を交えながら地域連携教育を考えるための話題提供を試みる。アン チパターンは「パターン化された間違った方法」であり、これを正しく理解し、再構想 (refactoring)することで、持続可能な地域づくりに向けた地域連携教育へのアップデー トとなる議論を目指したい。
2.なぜ地域と大学の連携が難しいのか (吉本 理沙)
2014 年 5 月に公表されたいわゆる増田レポートを契機に、国による地方創生政策が開 始され、その一環として、2015 年度から 5 年間の各自治体の計画を示した「まち・ひと・ しごと・創生総合戦略」が策定され 3 年が経過した。このような政策を背景に、人口問題 のカギを握る若者を擁する大学と若者の流出を抑えたい地域の一層の連携が求められてい る。しかし、実際には地域と大学が連携することは容易ではない。地域と大学の連携は、 地域側も大学側も相互に積極的に必要としている場合にのみ成功するという(萩原, 2016)。 このようなケースは稀であるにもかかわらず、一律に推進するのはなぜなのか。
私が専門とする公会計分野における国の動向を手掛かりに、持続可能性に関して、国、 地域、大学の根本的な課題を正義論から浮き彫りにし、地域と大学の連携において真に議 論されるべき点の提示を試みる。
3.課題解決型の地域学修 2.0 の構築を目指して(畑 正夫)
大学の組織的な地域貢献活動として始められた「地(知)の拠点整備事業」(COC 事業) は、地方大学の小さな地域貢献活動をベースに企画・実施された。当初の個人研究室から 大学の組織的対応への深化にとどまらず、大学はこれまでのテクノロジー重視の企業家大 学から社会科学領域を幅広く取り込んだ社会イノベーションにおける Quadruple Helix の 主体としての “社会的企業家大学”に発展する可能性を秘めている。
大学が地域と協働して学修環境を形成することは、学び手が現実の地域課題に触れるだ けなく、将来の課題を感知する受容体としての能力を高める機会を得ることにつながる。 持続可能な地域づくりをめざす地方創生の取組みでは、短期的な積極戦略による課題解決 と長期にわたる組織や仕組みの変革につながる調整戦略を通した社会システムの変革が志 向されている。そこで、COC 事業をベースに社会的企業家大学を念頭に置き、大学が地域 と連携した学修を新たな段階に発展させるための提案を行う。
※「未来の学びと持続可能な開発・発展研究会(みがく SD 研)―異分野融合を志向する越境研究・実 践者ネットワーク」は、グラノヴェター(1973)が指摘した弱い紐帯(Weak ties)の強さと、何でも吸い 込んでしまうブラックホール的なメンタリティから、異なる専門分野(社会学、法律学、環境心理学、行 政、教育等)の実践的な研究者の分野横断的・越境的研究・実践団体となっている。みがく SD 研はイヴ ァン・イリイチが提唱するコンヴィヴィアリティ(Conviviality)を大事にしており、「共愉」的で「相互 依存しながら自立する自由な共生」を特徴とする。主なテーマは「持続可能な開発・発展・SDGs 持続 可能な開発目標」と「教育・PBL(Project Based Learning・Problem Based Learning)・ESD(Education for Sustainable Development)」の実践と研究である。未来の学びと持続可能な開発・発展研究会は自 主研究だけでなく、学会や地域団体、学校、自治体、企業、CSO(NGO・NPO)などのマルチセクターと 協働し、研究と実践を行っている。
引用文献
イヴァン・イリイチ (2015). コンヴィヴィアリティのための道具, 筑摩書房.
萩原誠(2016). 地域と大学―地方創生・地域再生の時代を迎えて, 南方新社.
Mark S. Granovetter (1973). The Strength of Weak Ties. The American Journal of Sociology, Vol. 78, No. 6, pp. 1360-1380.
山形琢也(2000). なぜこのオッサンの話はおもしろいのか!? すばる舎.
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