みがくダイアログ
越境する文化—兵庫下髪とプルースト美学が交差する地点
清水玲子×高橋梓
異質な文化圏との交流が日常化した現代、文化の「越境」の重要性が語られることは珍しくない。だが多くの場合において、我々は異質な文化の「要素」に触れることで満足してしまい、文化システムが越境することで生じる問題から目を背けている。我々はまず文化が独自の体系を持つことを理解し、 自らの文化やその規範性に自覚的であるべきであろう。それによってこそ、我々は他の文化の規範性を読み解き、自文化を変容させるきっかけを得るはずである。これは学問における専門分野においても同様であり、自らの背景に潜む体系を自覚し、その上で「際」に身を置かねば文化触変は起こらないだろう。
今回のダイアローグは美術研究の分野における「兵庫下髪」、そしてフランスの小説家プルーストの「通りすがりの女」のテーマに潜む美を題材とするものである。各報告者が見出したものは、規範的なるものによって覆い隠された文化要素に他ならない。報告者の議論を出発点として、自文化の中に潜む思い込みを自覚すると共に、異文化の越境が社会やサステナビリティについて果たす役割を考える。
日時 4月23日(日)13時から16時
場所 ネット
主催 みがくSD研